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床下の迷宮  作者: へますぽん


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行け行け88回遠征団

 しんがりに干し草と砂を担いだ荷運びを引き連れて、青年部達の若雄の雄叫びがやかましい。

 お団子になって押しくらまんじゅうで進む一団は、飽きることなく不揃いな巣穴を連発してぐんぐん進む。途切れなく巣穴が現われ、通路になる。

「もぅそろそろ休憩しようよぉ」

 最初に音を上げるのはもちろんわたしだ。集中力を欠くと垂れ壁やら袖壁に荷や身体をひっかけて転ける。いくらか照らしてくれても、そもそも暗いし、足元だけ削ってもかさばる干し草があるのでバランスが違うから歩きにくいのだ。

「よぉーし。一旦とまれぇー!ミズキ待ちするぞーっ!」

 なんだよ。若いから疲れないのかよ。張り切りすぎじゃない?チンチラがタフとか意味分かんない。わたし小動物より虚弱なの?いろいろ思うところはあるけど、担いでいた草や砂を降ろして壁に寄りかかってへたり込む。

 おおきく吐息をついて虚脱する。頭ぶつけすぎたのが悪いのか。硬いのよ。そしてほんとうに目から火花がでる。いや、まじで。フラッシュが焚かれるんだって。

 このように疲弊している傍らで元気いっぱいな遠足チームは大はしゃぎで甲高い叫び声と共に干し草にダイブしはじめる。

「ふざけんなよ!ご飯になにしてやがるっ!たいがいにしないとあたまからボリボリ音立てて喰っちまうぞ!」

 なまはげっぽい威嚇をしてしまう。

「悪ふざけした挙句、こんなん食べられないとか言うなら絶食だからな!」

 まさか出先で持ち込んだ食料をプリン風呂のように扱った挙句、お姫様みたいに要らないなどと巫山戯たことを言わないと思うだろ?それは所詮ヒトの浅知恵にすぎないのだ。チンチラはね、言うよ?

「こんなくしゃくしゃの草はイヤ」

 くしゃくしゃにしたのは誰で、ご飯が必要なのは誰だよ?

 干し草に大量に生えたチンチラの頭を睨みながら、砂浴び用の小さな浴室をいくつも作らせ、持参した砂を流し込む。

「ちょっと戻って取ってくるから、砂浴び済ませておきなさい。今日はここで宿泊です!」

 掘りながら進むから、ただ歩くだけよりも速度が出ない。ゆっくりしか歩けないから時間が掛かっているけれど、距離はないのだ。外を進むような距離は稼げない。引き返して再度調達は難しくない。

 だけどなぁ。家族が増えるから草はもっと必要になる。牧草の種まきはこれからだし、無駄にするのが惜しいとも思うのだよ。当人達は平気そうなのでどうにでもなるのだろうけれど。

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