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床下の迷宮  作者: へますぽん


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塔の上の姫君

草のかき集めた上に腰を据えたまま、スカートの上に蔓草の欠片をぼろぼろ零して指先は繊維質の皮を毟っている。

指先に神経を集めているが口先は自由なのだ。


「お姫さまは塔のてっぺんにいるものらしいのよ」

そして王子様にそこから攫われるんだけど、それはいわない。


だから豪天号の愛の巣を巣穴の高いところに神棚みたいに作ればいい。

扉は観音開きにして、期間中わたしがお世話に通えば

チンチラにはその扉を開くことすらできない。


先に愛の巣を作ってその下を抉ってしまえばネズミ返しの形状になる。

思いつきを手仕事のかたわらダラダラと語るわたしに、急に勢いづいた豪天号は強度や背面の安全性など技術面は制作する自身が考えるという。

旅に出なくてすむのが嬉しいらしい。そうだよね。ようやく得た悲願の妻と離れたくないよね。


バルコニーのお姫様にむかって愛の詩を捧げたり、愛の歌をうたいあげたりするのかしら。

すると面白いんだけど。

ぼぇぇー。って歌だったらどうしよう。

大丈夫か。おむすびころりん合唱団だもんね。

え?じゃあ、あの少年合唱団風に天使のように愛をうたうの?

みんなで声を揃えてうたったらどうしよう。かわいいんだけど。


編み物をするときや糸を繰るときってどうでもいい妄想が捗るよねぇ。


豪天号が傍らで辛そうに惚気を語っていても、嬉しそうに愛の巣の設計を語っていても

わたしには全く縁遠い話にしか聞こえない。

伴侶とか恋人とかほんとうにしばらく、なんなら永遠にどうでもいい。


思った以上に傷ついていたようだ。

なんだよ。結婚するとき誓ったんだろう?生涯、喜びの時も悲しみの時も寄り添うって。

なんで他にそれを更にお替りで求めるんだよ。


四人まで妻帯を許す宗教を知っている。それは彼らが納得しているから是非もない。

たくさんの彼女を公言する色男タレントがいるのも知っている。勝手にしてくれ。

でもほんとうは自分の倫理観があって

可憐な妃を望みながら、影で公妾とズルズル続いていた王室の話とか嫌悪感が強くてムリ。

ぜんぜん縁の無い人たちの話なのに国王夫妻の姿を見たくなくてチャンネル変えるくらいイヤ。


好ましい上司だったが、どうにも受け入れられない価値観の人であったことが辛い。

結婚して幸せな人はその内容を語らないから、ネットで見かけるぼやきばかりが目につくせいで

結婚して幸せになれるビジョンが得られない。

豪天号がその手本になってくれるだろうか。

そばを食べている姿を見て婚約を解消するひともいたそうだから、もっと違うマナーやプロトコルの土地で、この巣穴から出て暮らせる自信が無い。

無線LANってセキュリティが不安などといって有線にしていたら

断線しました。そういう危険もありますよねー(遠い目)

でもまたケーブルを買ったのです。

ちょっと短くて宙にヒモが浮いてたりして

足元に『罠』が仕掛けてある状態なので、それはほんとうに安全を意識しているのか?

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