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床下の迷宮  作者: へますぽん


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日曜日の朝の少女アニメでヒロインの肩にこういうの乗っているよな。

華やかな赤みかかった薄紫の被毛は背の部分の色がやや深く腹側にかけて白くなり、全体にとてもつややかだ。

それに、ふわふわだ。

高いさえずるような鳴声を上げながら、今日も転げまわってはしゃいでいる。

永遠に見ていられる。

このまま幼獣の状態で永久保存してしまいたい。

可愛いをおかずにタライで三杯ご飯が食えそうだ。


あぁ。是非触れてみたいが未だに許されていない。

何故。

あんなに献身したのに!


「仲間達には嫁さんを分かち与えたのに、わたしが若紫ちゃん(仮名)に触ることすら許さないってあんまりじゃないか!」

「あれは、奪われたんだっ!だれが許すかよっ!!それに嫁はおれだけの大切な嫁なので誰の匂いもつけさせるものか!」

繁殖期のオスは荒れるって言うけど、まだ若紫ちゃん(仮名)は乳離れしたばかりでまだまだシーズンは到来しないと思うんだが。


ちょっとくらい紹介してほしいと根気よく訴えるが

初めて迎える嫁さんへの思い入れは強く、

兄にバレンタインでもらった手作りチョコ(アーモンドにチョコかけたやつ)をせがむときよりも強硬に拒まれる。

いいじゃん。ちょっとくらい。


仲間のところにいった若紫ちゃんの仲間はそれぞれ同様に大切に養育され、ゆくゆくは子返しすることで手を打ったらしい。一人で初めての多頭保育は厳しい。という現実と夢のハーレムのあいだで折り合いをつけたそうだ。

子返しってブリーダー同士で繁殖させるときに雌雄の親のあいだで産まれた子を配分するアレ。

だから将来産まれる子どもからまたお嫁さんに来てもらう。

この際、嫁候補を強奪した仲間のことをお義父さんと呼ぶことすら厭わない豪天号の男っぷりに感嘆する。

「まぁ。娘の意向を無視して嫁取りをするのね?」

「そもそも主に拉致(召喚)を依頼している時点で、すでにどうかしているから」


…ああぁぁぁ。

でも。

店舗でまだ幼い生体を購入する習慣をもっていたわたしになにか言えることではない。

業が深いのはわたしだ。

召喚を唆したのもわたしだ。

生体を売買するのと召喚するのとどう違うというのだ。


「それに!おれは次世代にも選ばれる男になるからいいんだっ!」


やだ、豪天号ったら男前。



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