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床下の迷宮  作者: へますぽん


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ひどいはなし3

お元気でお過ごしですか?

良いクリスマスイブをお過ごしください


今回も痛い話です。暴力は今回までだと思う。たぶん。

ずきんずきんと響くような痛みとぐらぐら目眩するような頭痛とすりむけた膝や脛や肘や腕、くるぶし、とにかく彼方此方のひりつく痛みと足裏に刺さる石で

生きていると分かる不幸せ。

もちろん短刀は突きつけられている。


本命通路の暗がりを先に歩かせることで危険を回避する。

肉壁としてわたしの命すら有効活用するらしい。

「この先、みぞ」

黙って自分だけ頭上から垂れている氷柱つらら状の石をかわしたら

壁にぶち当たるほど殴り飛ばされたので

障害を警告する。

殴って倒れた裸の腹を山用のブーツで蹴り飛ばされたから、こわれているかもしれない。痛い。


本命通路を監視するチンチラたちから小さく誘導が入ってくる。

その穴に落ちると毒虫が待機しているとか

足元のでっぱりに躓いて転けるあたりに棘が撒いてあるとか

横から竹槍でてくるよとか

毎分クライマックスで痛みに気を回せない。


じゃりっぽい足元が唐突に平らな岩の面に変わったと思ったら

ぬるりと滑る。

すぱんっと後ろに転倒して腰と後頭部を打つ。

賊も革底のブーツで勢いよく倒れる。

革のソールってほんとうに濡れたタイルと相性が悪い。


勢いよく転げて呻く賊からすこしでも離れようと膝と手をついてにじり下がろうとしたとき

「ふざけたマネしてるんじゃねぇぞ。ここで仕留めるぞ」


いや。ここで仕留めるとあんたが損をするだけで、どうせこの先で屠るつもりだろうが。

とは言わないけれど。

賊が転んだ苛立ちをぶつけてくる。


暗がりのなか、上がったり下がったりする狭い坑道で次々と悪意のこもった罠に迎え撃たれて

ストレスが最高潮に高まっている。

そうまでして得るものがあるのか。

あの赤い灯りに照らされた祭壇にはなんだかキラキラしたものが供えられているように見えた。

あれはお宝なのかな。


ブチ切れながら立ち上がった賊はわたしの脛をゴツいブーツで蹴り飛ばし、ふたたび岩の壁に飛ばされるわたしの横で革底が滑って仰向けに倒れた。


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