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床下の迷宮  作者: へますぽん


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養殖計画

ファイバー系装備(草束付こもづつみ)を担いで街道沿いの町に立ち寄る。

衛門の警備に3度見されるが単に運搬しているだけで、取り立てて言うほどでもないらしく問われない。

立ち寄ったのは、採取した草が実際売られているのか市場調査をし、お金になりそうな草も調べようというわけだ。そして本命は

「このへんでチンチラって獲れますか?」

革屋とか動物商とかチンチラを扱いそうな店を回って尋ねた。


入荷はない。

むしろわたしの相棒に興味をもち、どこで入手できるのか逆に問われる。

もちろん採取場所を吐くわけもなく、あらかじめ相棒に指示された地名を告げる。

以前探索したとき豪天号がいちばん有望視した地名だそうだ。


物欲しそうな目で見られるが

「こんなちっちゃいのたった一匹だけじゃ小物にも使えないよねぇ?

繁殖させて増やしてから販売を考えようと思って。

これだけじゃ半端で、愛玩くらいにしかならないけど、家族にも懐かないから難しいし。

それにこれ、傷があるから皮にしても価値があまり…」

と肩の傷で毛がハゲているのを示すと、一気に興味を失う。

商売の軌道に乗せるには割が合わない、と思われたらしく

もし繁殖に成功したら売りにおいで。と投げやりに告げられる。


個体の確保からはじまる繁殖計画。しかもメスの入手の目処が立っていない。

それはもう絵に描いた餅でしかないわね。


だが、盗まれたり襲われないように価値を低く語ったら

豪天号はディスりに弱く、なんか打ちのめされた顔でプスプス鼻を鳴らす。

「あら。

あなたはブラックベルベットなのにどうしてそんなに自己評価を下げてしまったの?

毛皮のハゲは向こう傷でしょう?草食でも押して戦ったのでしょう?

毛皮商に高く評価されて仕留められたかったの?」


山で摘んだ草のいくつかは良い値段で売れた。

煎じて飲むと腹痛に良いとかオネショに効くとからしい。

腹痛はまた摘もう。

菓子や果物を買う。

おにぎり(ライスボール)のお供になりそうなモノも買う。

塩辛い保存食。コンフィの瓶詰め。


そうして機嫌良く町を去り、街道を更に進む。できるだけ早足でもっと遠くへ。


その日も夕刻には街道からわずかに外れた藪の中に豪天号特製巣穴を設け

櫛ですきながら相棒の可愛いところを数え上げるというしもべプレイに勤しんでいると

街道の馬や人の気配で騒々しい。


日が陰るこの時間はだいたい通るものが途絶える。

野宿をするなり、町に滞在する。夜通し駆けるものなど滅多にいない。











緊急事態発生

当方の屋根裏にて雨漏り発生

広範囲に渡っていると業者さんの判定


工事のために片付けたりどかしたりするため

明日の投稿が無理(毎回ギリギリで投稿していました)

明日はお休みします

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