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床下の迷宮  作者: へますぽん


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20/92

搭乗される側なのか

「これからは、お前を伴って更に探索範囲を拡げるから」

ブラックベルベット改め豪天号の言い放った言葉に二の句が継げない。

まて。どういう意味だ。


「お前は主様から賜った力によって、早く遠くまで歩けるだろう?

オレは伴侶を近くで見つけられなかったので、もう少し遠くへ足を伸ばさなくてはいけない。

お前はオレを助ければ良いじゃないか」


豪天号の指揮でわたしが進むのか。

少年しょうた鉄人(28号)みたいじゃないか。


「あのね。こういう考え方は下衆だと思うけど、チンチラをお金で手に入れることが可能なの。

毛皮の色も月齢も選べるんだけど。

なんなら相性を見るために対面もできる。

そちらで探すのは?」


「なあ、瑞希。考えろ。お前の思うチンチラはオレに似ているか?」

さあ?チンチラって同僚のスマホ画面でしか見てない。

彼女がいずれ迎えたいと言ったエア飼育動物。ほぼ幻。ほぼ戯言。概ね聞き流していた。

二次元の生き物と変わらない。

だから初めて出会ったときも判らなくてネズミだと思ったし。


「少なくても言葉が通じないわね。齧歯類だ(インコじゃない)し。

でも、ここらでコロニーを探し当てれば、豪天号のようなチンチラがいるの?」


「…それは未だに確認されてないからなぁ。どうだろ?」

なんだよ。嫁とUMAと同じ扱いか。


それにしても

わたしを鉄人代わりに使役しようって。

愉快すぎる発想だ。

脆弱すぎる。


わたしが搭乗するなら、金属とかなんなら岩とかでできている、いっそゴーレム的な頑丈なものか、

車並みに高速移動できるのものを望むわ。

わたしでかまわないのかな?


「轟天号や。わたしの脚ではこの草原を抜けることができても

オオカミやクマをかわすことは無理だわ」


「…?いや。おまえ、毎回オオカミを振り切っているだろう?」

「毎回って。まるでわたしがオオカミに遭遇したことが何度もあるように?」

わたしが全力で逃げたのは野犬に遭遇したときだ。あとイノシシが遠くに見えたとき。

幸いクマはまだ。シカは遠目で眺めた。角がデカいオスですごい見栄えした。絶対に近くで鑑賞したくない。あんなん頭に乗っけてプンプンされたら、刺さり放題だ。

メキシコ人は奈良の公園で驚愕するらしい。

凶悪生物に嬉しそうに群がる日本人の呑気さ、危機意識の無さ。


そう。田舎の小学生は野生動物に近寄らないようちゃんと教育されている。

危ないからね。

野犬にも近寄らない。


「お前は、ひょっとして。…オオカミが判らない?」

「カモシカとタヌキを見間違えるレベルのポンコツですよ?」


そんなもの、図鑑か動物園でしか見ないから分かんないに決まっている。

間近でじっくり観察したら無傷じゃすまないだろう?




続きは明日の朝6時です



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