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引き裂かれたベール

「きゃああああああああ」


 予定していた全ての行程をこなした私は、これも予定どおり、新婦控室の目の前で悲鳴を上げた。


 広い建物全体に届くよう、お腹に力を入れて、精一杯の声を出した。



 思惑どおり、私の悲鳴は、クシャル、ロウ、カシージョの全員の耳に入り、さらに睡眠薬の効果で熟睡していた王太子の目も覚まさせた。



 4人は、廊下に座り込んでいる私の周りに集まり、私の指差す先にある物を見て唖然とした。



 それは、ビリビリに引き裂かれたベールであった。


 誓いのキスの場面で、アランが持ち上げた、あの花嫁のベールである。それが新婦控室の目の前に、無惨な姿で発見されたことは、今この場にミリーだけが不在であることを併せて、最悪の予感を生じさせるものだった。



「ミリー!! ミリーは無事なのか!!??」



 アランは、新婦控室のドアを力一杯に開け放つ。



 しかし、部屋は空っぽだった。



 誰も何も言い出すことができず、静寂が場を支配する中、王太子がゴクリと生唾を飲み込む音がハッキリと聞こえた。



「みんな、手分けしてミリーを探そう!!」



 5人で捜索場所を分担する際に、私は、建物内の捜索を名乗り出た。

 なぜなら、ミリーの死体がそこにはないことを知っていたからである。もしも死体の第1発見者になってしまえば、私が犯人であると疑われかねない。



 アランが、海岸沿いの洞穴で、変わり果てた花嫁の姿を発見したのは、捜索開始から1時間弱が経過した頃だった。


 洞穴を最初に捜索するのはアランだろうと私は確信していた。

 なぜなら、ゲームのシナリオ上、アランはこの離島に土地勘があるという設定なのである。アランは、子どもの頃にバカンスでしばらくこの離島に滞在したことがあり、ゆえに思い出の地であるこの離島を結婚式の会場に選んだのだ。



 目を真っ赤に腫らした王太子に呼び出され、他の4人も洞穴内へと誘われる。



 キャンドルに照らされて浮かび上がる光景は、あまりにもおぞましいものだった。


 繋ぎ回で大変恐縮なので、すぐに次の話をアップします!!

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