愛
「今だ!スキル使い放題【鑑定】」
タケシは目の前の何も無い空間に向けて鑑定スキルを使った。
【鑑定結果】イマジナリーフレンド。タケシが13歳の時に生み出した想像上の友達。名はカケル
タケシが13歳の時にタケシと絶交する。
「どんどん行くぜ!【鑑定】」
タケシはまたしても何も無い空間に鑑定スキルを使う。
【鑑定結果】イマジナリーキャット。タケシが15歳の時に生み出した想像上の猫。名はミカヅキ。
とても可愛いく、賢い。タケシが15歳の時にタケシの元より逃げ出す。
「まだまだぁ!【鑑定】」
タケシの眼から魔力が迸り何も無い空間を鑑定していく。
【鑑定結果】イマジナリーガールフレンド。
タケシが18歳の時に生み出した想像上の彼女。
名はエーデルワイス。タケシの話を何でも笑顔で聞いてその上で肯定してくれる。美人とは言えないが
とても笑顔の似合う女性だ。タケシが18歳の時に
タケシに別れを告げいなくなる。
「これで終わりだ!【鑑定】」
タケシは目の前の鏡に映る獅子鼻の男に向けて、鑑定スキルを使う。
【鑑定結果】タケシ。矮小で狭量な心の持ち主。
何も持ち合わせていない。
「駄目か……やはり俺は何一つ手にする事もできない人間なんだ」
鑑定結果を見るタケシの目からは涙が溢れていた。
その時タケシの部屋のドアが開いた。
「誰だ!正体を現せ!【鑑定】」
タケシはドアに向けて鑑定スキルを発動する。
【鑑定結果】タケシの両親。タケシを愛し、何よりも大事に思っている。
タケシを見る両親の目は戸惑いつつも、優しく慈愛に満ちている。
タケシは、厳しいが尊敬する父親。優しく頼りになる母親を見つめ。決意する。そして再び鏡に映る
鷲鼻の男に向けて鑑定スキルを使う。
【鑑定結果】タケシ。矮小で狭量な心の持ち主。
両親からの愛情と両親への愛情を持つ。
何一つ持ち合わせていない人間などいない。タケシにもたった二つだがあったのだ。とても大切な。絶対に手放すことのないそれが。
「へへっ。お父さん。お母さん。いつもありがとう大好きだよ」
タケシは照れつつも、両親に感謝の気持ちを伝えた。