表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/17

1話 捨てられた男

「タケシ。悪いが今日でお前にはこのパーティーか

 ら抜けてもらう。」

 

 それは幼馴染で勇者である、アントニオからの突然の提案であった。


「どうしてだアントニオ!俺たちは上手くやってきたじゃないか!」


 納得がいかないタケシは、アントニオに食ってかかる。


「俺は俺なりに粋で…いなせにパーティに貢献してきたじゃないか!!」


 納得がいかないタケシはアントニオに食ってかかる。


「その質問にはアタイが答えてやるよ!」


 二人の話しを黙って聞いていた気っ風のよい美女、ユキが口を開く。 

 

「タケシ。アンタはたしかに…いなせさね。それはアタイも認めるよ。」

「じゃあ、どうして!」


 タケシはユキに食ってかかる。


「勇者であるアントニオは前衛も後衛もこなせる。賢者のアタイは後衛ができる。」


「そこに、いなせであるタケシがいても、バランスが悪いんだよ!」


「そう言う事だ、このパーティには前衛が必要なんだ」


「悪いがこれ以上話す事はない。出て行ってくれ」


 何も言い返す事のできないタケシは、力なくドアを開き部屋を後にした。



    「これからどうするかなぁ」


 タケシは悩んでいた。いままで冒険者としての活動を時には粋に、時にはいなせにこなしていたタケシだったが。幼馴染のアントニオと村を出てからこれまでずっとパーティを組んでいたせいで、同業者に知り合いも無く、パーティが組めない状況であった。


 「効率は悪いけどしばらくソロで活動するか…」


 俺は悩みながらもこの街にある冒険者ギルドに向かった。

 

 冒険者ギルドの受付に並び順番を待つ。

 

「あら、タケシさん。今日は一人ですか?」


 窓口で俺を出迎えてくれたのは、はんなりとした

 京美人と言った佇まいのタエさんだ。


「実は勇者パーティを首になってしまってな。ソロで受けられるクエストをお願いしたいんだが…」


「信じられないどす!タケシさんをクビにするなんて!!」


「今までタケシさんが、いなせに立ち回ってきたからあのパーティは上手くいってたんじゃないどすか!」


ここまで俺の事を評価してくれてたなんて。

顔を真っ赤にして怒るタエさんを見て俺は少し嬉しくなった。


「もう終わった事だ…。いまは食べて行く事を考えないとな。クエストを頼むよ。」


「そうどすね…。承知しましたでありんす。」

タエさんがプロの顔になる。


「タケシさんの実力ですと、Cランクの猪狩りが受けられますなぁ。」


依頼のランクは一番上のSランクから一番下のCランクまである。


 さっきは俺の実力を評価してるみたいな感じを出しておいて、一番下のランクのクエストを紹介するなんてとんだアバズレだ!


 タケシはタエに、食ってかかる。


「おい!アバズレ!てめーどーゆー事だよ!」

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ