第ー話 『その人』
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???「.... ありがとう ケイト ...」
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その瞬間、バッとベットから起き上がった。
またあの夢だ。
決まっていつも、その人が最後にそう言って俺は目が覚める。
その人が誰なのかは全く分からないし、最初の方は何を言っているのかすらも分からない。
顔には靄がかかっており、声は無く、彼女なのか彼なのかも分からない。
ただ、何故か最後だけ感謝されているのが分かる。
感謝されるようなことしてないのに。
「声も無いのにどうやって分かるんだ」って?
俺にも分からない、分からないけど、、その人は確かにそう言っている。
何と言ったらいいか分からないが、、そんな感じがする。
まだ朝日が昇っておらず、カーテンが半分だけ開いている網入りガラスからは、少し暗い見慣れた空が一面に広がっていた。
もう一度寝るか?
いや、偶にはあのババアに起こされずに自分で起きて、気持ちの良い朝を迎えたいものだ。
今日は二度寝しないでおこう。
窓のカーテンを開けようと低いベットから起き上がる。
すると、その5階の窓からは色々な物が見えた。
犬の散歩をしている人、ジョギングをしている人、酔っ払って寝てしまった人、将又楽しそうに合唱する猫たちもいた。
朝早いってのもあるかもしれないが、少しだけ寒くなってきたような気がする。
暖かいパジャマが欲しい。
いいや、そんなワガママ言っちゃ駄目だ。
俺は我慢する、お母さんの為に。
せめてもの償いの為に。
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俺の名前は『岩井 圭人』進学校に通う高校2年生だ。
うちの学校では3年生になると迫り来る受験に備えて猛勉強、忙しくなるので行事をやらない。
だから、文化祭、音楽祭、夏休み、修学旅行 は高校2年生で最後だ。
そして醍醐味は、文化祭は高校2年生が全て取り仕切る、という所だ。
プログラムから、体育館、全教室における装飾、文化祭の資金運用まで、全てを1つの学年、約170人が担当する。
それはもう大変。なんてったって、先生は殆ど手助けをしてくれない。
準備の為に夜10時くらいまで残る生徒もいるし、寝袋を持参して学校に泊まるという強者までもいる。
演劇部の部室からはLEDの鮮明な光が辺りを照らし、吹奏楽部の部室からのヴァイオリンの美しい音色と新聞部の部室からのパンフレットを刷る音が最悪のハーモニーを奏でている。
でも、そんな数々の苦労の中には人生で1度しか味わうことが出来ない青春が詰まっている!
俺はそこで可愛子ちゃんと出会って仲良くなった暁に連絡先交換、そしてデートして、あわよくばその後にーーーー
と言う具合で、最高の高校lifeを送る!
はずだった。
読んで頂き、誠にありがとうございます。
今回は『岩井圭人』という主人公らしき人が出てきましたね。ただ、彼はどうも普通の高校2年生ではない模様....
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