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21/50

あ、あの男は……

「勝負の後の酒は効くな」


 身を震わせて、メリッサは息を吐きながらグラスに見惚れる。


「そうだな……メリッサ、君の意見を聞かせろよ」


「あぁ、こういう時は原点回帰だ。 自分のギルドを作って対抗する。 どうせことが起きれば上は動くさ」


 指を上へ向けた後、首へと当てて下へと向ける。 メリッサは、当初自分がしようとしていたことを彼に伝えた。


「商業、用心棒、闇……いろいろあるが、対戦争ギルドなど初めて聞くね」


「確かに……すぐに解体されるだろうな。 そんなギルドは」


「すぐに? あぁ、そうだな。 だがその一瞬に全てをかけるぞ」


「では、もう一度」


 こつりとぶつかるグラスが音を出して、2人の男が笑う。 この後も、何度も何度も乾杯をし続けて、2人は眠り落ちた。


 ーー3日目。


「起きろレオ。 今日も楽しいボランティアだ」


 ソファの下で目を覚ましたメリッサが、ソファの上のレオナルドを蹴り起こす。 頭をぐらぐらさせながら、彼は立ち上がると、メリッサへと1発拳骨を当ててから外出の用意をした。


「……ありがとな。 メリッサ、君のおかげで」


「お互い様だ。 俺もお前のおかげで……早く行ってこい」


 舌打ちまじりに行かせた後、机の上の書類を取る。 レオナルドのサインの入ったそれを胸へとしまう。 メリッサは、眠気まじりに外へと出た。


 辿り着いたのは、集会所。 受付の人は前とは別の人だった。 少しだけ、面倒を感じながらメリッサは書類を渡す。


「これを渡せば伝わると思うけど」


 少々ほど待たされて、メリッサが案内されたのは闘技場のような場所。 周囲は壁になっていて床は硬い。 足を置くたびにコツコツと音が響くほどだ。


「よう。 こんなところで会うなんてな……よほど殺されたいらしい」


 そこには、1人の男が待っていた。 ジョー、かつてのギルドの仲間であり、俺を裏切った男。


「いまさらお前に用なんてないと思ってたが、腐れ縁だな」


「俺もだぜ。 どういう手品を使ったのか……お前がCランクとは恐れ入った。 だがな、これこそ運の尽きってやつだな」


 ジョーが喋るたびに、周囲から黄色い声援が降り注ぐ。 辺りを見渡すと、観客席にジョーの今のパーティメンバーが揃っていた。


「人は欲張ると損をするらしいな……今回の件でよく分かったよ」


 メリッサは、つまらなさそうに視線をジョーへと移す。


「いまさら後悔しても遅いぜ。 メリッサ……お前はそこで満足していれば良かったのに」


「何か勘違いをしている様だな。 まぁいい、さっさと始めようぜ」


 メリッサの促しで、立会人は手を振り下ろして姿を消す。 メリッサは動かない。 ジョーが舌打ちをしてから剣を抜くと、目にも止まらぬ早さで接近する。


「後悔するなよ。 メリッサ!!」


 剣はメリッサの首元を強襲した。

しばらく休憩

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