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第97話決戦8


『…人工衛星から協力な磁場を確認…効果範囲は目的地の全域……解決方法を演算………解決方法が見つかりません…再施行…』


マリアは目の間の人工衛星を分析しながら演算を開始する…


だが、もちろんそんな演算を待っているホープではない。


人工衛星からはミサイルが放たれたのだ。


『追尾型磁力ミサイル…一時戦略的撤退…』


爆撃機を巧みに操るとマリアはそのミサイルから思い切り離れる。


当たらなくても効果範囲に入ってしまえば、自分は終わりだ。


マリアは逃げる…

ミサイルはマリアの操る爆撃機をピッタリとくっついて追ってくる。


撃墜?

いや、あれは壊せば広範囲に磁力をばら撒く…

そんなことをすれば自分は終わりである。


ミサイルに追われながらもマリアは撃墜という選択肢を捨てる…


マリアがそんな思考をしている間にも、人工衛星は第二射の準備のためか、機体の一部がせり出す…



だが、その瞬間マリアの中で一つの答えが導き出された。


『…機体がせり出したのは、磁力ミサイルをなるべく自分から遠ざけて放つため…ホープお姉様の現在地はあの人工衛星の中心部…』


先程までこちらの機体を破壊して回っていたホープが現在はあの中…

つまりはあの磁場はホープが中に入ってはじめて起動したということになる。


『…あれがホープお姉様の切り札…』


マリアは呟いた。


第二射はもう発射寸前まで迫っている。

一射目でさえ完全には躱しきれていないのだ。

しかも二射目はホープがこちらの動きを見た上で演算した上での射撃だろう。

確実に命中するといってもいい。



だがここで奇跡が起きた。

いや、奇跡とは比較的プラスの意味合いに使われることが多いが、この場合はマイナスに対しての…

そう。

この奇跡はそれが招いた悲惨な結果をみるにマイナスとしか言えない奇跡だった。


その奇跡はマリアの中で起きた。


『…素晴らしいです…これがホープお姉様…マスターが作りし最高傑作…欲しい…我がアメリカに…例え私自身を犠牲にしたとしても…』


そうその奇跡とは、感情だった。

マリアには芽生えたのだ。

それがウイルスの侵食と度重なるエラーがきっかけだとしても確かに…


そしてその生まれたての感情はマリアに最初で最後の…

自己犠牲という名の最低最悪の選択肢をとらせるに至る…


マリアは追尾するミサイルを引き連れながら高度を上げる…

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