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第96話決戦7


美月と別れたホープはすぐに飛び立つ。

本意ではないが、やると決めた以上やることは明白だ。

敗北条件は美月ちゃんの家族や友達に対する被害…

勝利条件はマリアの撃破…

至って簡単だ。


なら…


『マリアの即時粉砕…それが私の結論だ』


電子回線の中でホープは呟いた。


私は既に九官鳥の意識も完全にシャットダウンしている。

理由はもちろん全力のパフォーマンスをするためだ。

九官鳥に意識を残した状態でも戦えることは戦えるが、それではウイルスで弱る前のマリアよりも多少優れている程度の力しか出すことができない。

それでは時間がかかり過ぎる…


そして時間をかければかけるだけ、美月ちゃんのところに戻るのが遅れる…

どちらにせよ、九官鳥一匹ではマリアには勝てないから九官鳥に意識を残していないのは、美月ちゃんの状況を把握できないぐらいのデメリットしかない。


まあ、それもけっこう嫌なんだけどね?

私はそんなことを思う。




その頃、米軍基地から飛び立ったマリアの操る爆撃機は美月達のいる街まであと僅かというところまで迫っていた。


だが…


それは本当に突然だった。

アルファの迎撃部隊を返り討ちにしたマリアの操る爆撃機の十機のうちの二機がなんの前触れもなく爆発したのだ。


『…エンジンを直接ショートさせて燃料に引火させて爆破ですか…単純ですが、私のハッキングを一瞬で上書きしなければできない芸当…さすがはお姉様です』


残る八機のセキュリティーを強化しながらマリアは呟いた。

ホープが出てきたということは、じきにハッキングが乗っ取られることを意味する…


だが、強化すれば多少の時間稼ぎに…


ならなかった…


また新たに二機が全く同じ方法で爆破された。


『…ホープお姉様の力は私を以上なのは承知の上でしたが、まさかここまでとは…』


このままでは街にたどり着くことすら不可能だ。


ならば…


マリアは残った六機のうちの五機の制御を完全に捨てる…


性能面ではもはやホープとは勝負にすらならない。

ならば残ったその一機で美月を殺せばいい。


美月さえ殺せばホープはアメリカにつくしかなくなる…

そうなれば世界の覇権は必然的にアメリカのものに…

それはマリアの最後の賭けだった。


だが…


ホープはもちろんそんなに甘くはなかった。

ようやく街に辿り着こうとしたマリアの目に入ってきたのは、何故か街の上空にとどまる巨大な人工衛星の塊だった。

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