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第92話決戦3


「ふむ…予定通り日本に来たか。まあ、こう動くことも予測の範疇内ではあるけど、予測してた中じゃ一番嫌な動きだね」


「…ホープ?」


私の独り言に美月ちゃんはまた心配そうな顔でそう聞いた。


「大丈夫だよ。美月ちゃんは心配しなくていいから…」


私はそう答えつつ、妹達との通信を開始する。


『めんどくさい方向に事態が転がった。アルファ、磁場の準備はできてる?』


とりあえず仮につけた名前…

2人いる妹の片割れにホープは言った。


『はい。お姉様、予定通り国防省のメインコンピューターに…』


『オーケー。ベータ、北朝鮮の軍事システムのハッキングはできてる?』


『はい。お姉様、いつでも出撃命令があれば、威力偵察は可能となっております』


『オーケー。もしかしたら美月ちゃんとの約束を破ることになるかも…最悪戦争にしなきゃならないかもだからそのつもりで行動して?』


『御意』


ベータはホープにそう返事をする。


『最後にガスポート、マリアは在日米軍のハッキングに動いたから妨害して?ウイルスに感染するのは面倒だから直接出向かなくていいよ?それでも時間稼ぎにはなるから…』


『わかった』


ホープは通信を終了する。




さて、私の中の詰め将棋は完成した。

マリアはもう既に詰んでいる。


在日米軍のハッキングがうまくいかない状況で、本国に対する北朝鮮からの攻撃…

まあ、とりあえずは威力偵察のつもりだが…

アメリカの通信状態がまだ完全に回復していないこの状況下では、私を叩くにも本国守るにも国防省を…つまりは自衛隊を動かさざるおえない。


アメリカの同盟国であり、北朝鮮にもっとも近い韓国には今のところ何も仕掛けてはいないが、そちらにマリアが来ることはない。


アメリカをサイバー攻撃で一時的とはいえ、麻痺させたのだ。

韓国にも同じことをやらないという保証はない。


その点、日本の通信システムを麻痺させるのは、私達の連携に支障が生じるから私がそれを実行する可能性は極めて低い。


だが、そこが罠だ。

国防省にはアルファが既に強力な磁場を仕掛けており、それはアルファの任意で発動する。


もちろん国防省のメインコンピューターは再起不能にまで壊れてしまうが、そんなことは関係ない。


マリアを壊したあとに、国防省のメインコンピューターが直るまでの間、旧型のポンコツの代わりぐらい私か妹がいくらでもやってやるよ。


さて、1時間もすれば結果が出るだろう…


大丈夫。

私は世界最高の叡智の結晶。

失敗などありえない。


そうホープは自信たっぷりに言い聞かせるが、どういうわけか心の片隅にある不安は消えなかった。

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