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第90話決戦2


『オッケー。作戦を第二段階にシフトさせる。私の妹達を出すよ』


『わかった』


私はガスポートとの通信を再び遮断する。


「ねえ?ホープ?戦況は?」


私がいろいろな工作をしているのは知っているが、美月ちゃんと私は今のところ美月ちゃんの部屋から一歩も動いていない。


美月ちゃんは私にそう聞いてきた。


「マリアが出たからこっちも妹達を出すところだよ。ここまでは完全に予定通りだよ」


「うん…ありがと」


やっぱり美月ちゃんは優しい子だ。

人間ではないとはいえ、自分の意思でマリアを殺すことには抵抗があるのだろう。

それにこのあとの展開しだいだが、マリアに近い人間を殺す可能性があることにも…


「美月ちゃん?2時間ぐらい寝とく?起きる頃には全部終わって…」


「寝れるわけないでしょっ!!」


うん…気を使ったつもりが怒られてしまった。


「ごめんごめん、私が悪かったよ。ならいっしょに見届けよ?美月ちゃんの選択は間違っていない。美月ちゃんと私や華音達…みんなの平和を守るためにした美月ちゃんの英断は絶対に間違ってないからさ」


美月は私の翼をギュッと握る…


計画は今のところ完璧である。




その頃…アメリカホワイトハウス…


「大統領…このままでは…」


「このままでは…ではないだろっ!!早く事態を収拾しろっ!!一秒ごとに私の支持率が下がってるんだよっ!!この無能がっ!!」


アメリカ全土への同時サイバー攻撃…

若干のタイムラグはあるが、軍事システムから一般回線にまで攻撃を受けている…

既に一般回線は完全に麻痺している…

このままでは軍事システムの中枢までやられる…

アメリカ大統領は自らの片腕とも呼べる側近に対し、ヒステリック気味に喚き散らした。


「しかし…このスピードと正確性…相手はおそらくガスポートかと?模倣型人工知能相手に通常の防衛システムでは勝負になりません」


側近の男は言った。


「ふざけるなっ!!なんのためにマリアに高い研究費用を出資したと思っているっ!?今すぐマリアを出して逆にロシアに攻撃だっ!!世界の指導者たるアメリカがこのまま舐められっぱなしで終われるかっ!!」


大統領が憤死しそうな勢いでそう叫んだ瞬間だった。


「お話中失礼いたします。大統領閣下」


部屋にある…サイバー攻撃により、もはや麻痺して使い物にならないはずの通常回線の電話機からその声がしたのは…

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