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第81話電話2


私に場所を指定させるってどういう意図?


『選択肢をこちらに預けることによって、こちらの信用を得ることが目的だろうね。あらかじめ場所がわかっているなら、私は万全の準備ができる。そうなれば仮に核兵器でも美月ちゃんを殺すのは不可能だし、向こうもそれがわかっていてそう言ってきていると見るべきだね』


なるほど…

さすがはホープだ。

私には今の提案に三島莉緒那のそこまでの意図を読み取ることができなかった。


ちなみにどこがいい?


『どこでも?場所がわかってる時点で私に死角はないよ。あとは美月ちゃんが受けるか断るかだけ。まあ、昨日の美月ちゃんの感じならもう答えは決まっているようなもんだけど』


ホープは私の脳内で言った。


そう。

マリアを殺すって決めたあの瞬間から私の答えは決まっている。


「…私達がはじめて出会った場所…あそこで待ち合わせ…それでどうですか?」


「ふふっ、わざわざ屋外を選ぶか…とんでもない自信ね?無謀とは言わないわよ。この間のあの有様じゃ、キチンと準備されたらクソ兄貴でもたぶんあなたに危害を加えるのは無理よ。まあ逆にクソ兄貴が返り討ちに遭うってのも想像もつかないけれどね?」


本当にこれで他者の考えを読む力が失われているのだろうか?

ガセじゃないのか?


『ただの経験からくる先読みだよ。三島莉緒那は修羅場の数が段違いだろうしね?』


ホープがそう言うならそうなのだろう。


「時間は?」


三島莉緒那は再度私にそう聞いた。


「明日の…このあいだと同じで…一目につきたくないのは、お互い様ですし…」


「いい判断ね…その時間なら誰かに見られる心配はあの近辺ならほとんど皆無ね。まあ、老体にはきつい時間だけど最初にそちらに選択権を渡したのはあたしだしね?その条件でいいわ」


「わかりました。では明日の3時にあそこでよろしくお願いします」


「ええ。こちらこそよろしく。なら失礼するわ」


三島莉緒那はそこで電話を切る。


電話交渉…

会う約束を取り付けただけだが、無事に話はまとまった。


とりあえず今日は授業に出たらそのまま帰って夜に備えて仮眠だ。


でもその前に…

私はスマホを確認する…


まだ時間にはかなりの余裕がある。


この焼肉臭い格好で授業に出たくはないので、一度家に帰ってシャワーを浴びてこよう。


私はソファーから立ち上がるのだった。

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