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第73話決意2


「ダメに決まってるでしょっ!!このバカっ!!」


「おい、美月?いきなりどうした?」


あまりにもありえないホープの計画に思わず叫んでしまった私に華音は驚いた様子でそう聞いた。


「ごめん…華音。ホープにマリアを殺すように頼んだら中国とロシアをけしかけて第三次世界大戦をおこすってさ…それで乱戦の中、後方支援から孤立したマリアを罠に嵌めて強力磁場で殺すんだって?」


「…マジか…」


さすがの華音も私のその答えに絶句した。


「いや、バカとは心外だよ。綿密に練られた私の計画に落ち度は一つもないよ。100%…いや、120%マリアをこの世から葬り去ることができるよ」


私が華音に説明したことにより、ホープは私の頭ではなく、九官鳥ホープのマイクを使ってそう言った。


「いや…バカだろ?計画は完璧かもしれねーが、そのぶっ飛んだ被害度外視の計画を発案するようなヤツは、バカ以外何ものでもねーだろ?どう考えても美月が正しいぞ?」


「うっ………」


華音の援護射撃でニ対一になったことにより、ホープはたじろぐ…

そして…


「…わかったよ…なら折衷案だよ。世界大戦は起こさない…そのかわり折衷案の場合は絶対にマリアを仕留められる保証はないよ?まあ、ざっくり見積もって成功率は80%ってところかな?それでもいい?」


「…そっちは人は死なない?」


私は聞いた。


「…場合によっては必要最低限は殺すよ。マリアと全く関係のない死人は出ないけどね?」


ここら辺が落とし所なのかも知れない。

今までは私はホープに身を任せた正当防衛で人を殺したことはあったが、明確に意思を持って人を殺すという選択を選ぶのははじめてだ。


私は言葉に詰まる…

ホープから人が死ぬ前提の計画を聞いた私が、ここで頷けばそれは私が私の意思で人を殺すことになるのだ。

そう思うと私を吐き気が襲ってくる…


「…うっ…」


「美月…」


華音は心配そうに私にそう話しかける。


私は華音を見る。

マリアを放っておけば、こんな優しい華音にも危険が及ぶかもしれない。

それに比べれば私が人殺しになることぐらいなんだ!!


私はコクリと頷く。


そして…


「…やって。ホープ。マリアなんてものをこの世にのさばらせちゃ絶対にダメ」


私は強い意思でそう言った。


私の吐き気はすでにおさまっていた。

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