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第71話嵐の後…



しばらく時間が過ぎた。

どのぐらい私は泣いていただろう?


「…落ち着いたか?」


「…うん…ありがと……!?っ、ごめん」


さっきまで華音の胸で泣いていた私は咄嗟にそう謝った。

華音の服は私の涙と鼻水でぐしょぐしょである。


「別に気にすんな?そもそもきっかけはウチの親父のせいだしな?」


いつもながら華音はカッコいい…

こんな彼氏ができないかな?って何度も思ったが、この1年私にそんな話は一切なかった。


死神女王と恐れられる私と付き合おうとする勇者は残念ながら現れなかった。


私は華音の胸から離れる。




「華音?ここなら今は誰も入ってこない?」


「まあ、さすがの親父もさっきの状況じゃ入ってこないだろーし、そうなると誰もこねーな。ってことはやるのか?」


私の問いに華音はそう答えた。

そのつもりである。


「うん、この子を解放しようと思う。いい?」


私は華音に許可をとるとホープに向かって頷く。


そして…


今まで若干虚ろな目をしていた転校生の女の子の目に光が戻る。


「!?っ、Where am I!?」


女の子は叫んだ。

直訳するとここはどこ?

である。

まあ、当然と言えば当然である。


ただ私もそこまで英語が得意というわけではないので、できれば日本語の方がいいんだけど…


『最悪、私が訳すよ?』


私の頭にホープの声が響く。


それならなんとかなるか…


「えっと…日本語わかるかな?」


念のために聞いてみたが、女の子から返ってくるのは英語のみだ。


『めんどくさいからICチップを媒介にして直接美月ちゃんの言葉を通訳するね?』


ホープは女の子にその旨を伝えた。


女の子は言葉を返す。


『すいません、わかりません。ここはどこであなたは誰ですか?ニューヨークの路地裏を歩いていたあとの記憶がありませんだってさ?』


「私は美月で、ここは日本で私の友達の家だよ。よかったら名前教えてもらってもいいかな?」


『ミシェルだってさ?たぶん路地裏で誰かに捕まって脳にICチップを埋め込まれたんだろうね?』


ホープのその言葉に私は怒りを覚えた。

正直、マリアの始末を三島莉緒那に頼まれたが、あまり乗り気ではなかった。


でも気が変わった。


こんな…こんな人を人とも思わないマリアのやり方を許していいはずなんてないんだ。


私は思った。

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