第69話交渉2
「もちろんあたし達も何もしないわけじゃないわ。あなたのサポートはするし、なんならガスポートも呼び出す。あたし達にとっては正直、あなたの持つホープとアメリカが保有するマリアは目の上のタンコブだった。あなたとは協力関係を築けたから、残るはマリア…これはあたしも煌一の今回の計画に協力するようになってからわかったことだけど、マリアの推定性能はガスポートを凌ぐ…弱みを見せるべきではないのかも知れないけど、ガスポートだけではマリアには勝てないわ」
三島莉緒那は一気にそう言った。
『三島莉緒那は嘘は言ってないけど、全部言っているわけじゃないよ。ガスポートの推定性能はマリアには劣るし、ガスポートだけでは勝てないのは紛れもない事実だよ。でも、三島莉緒那自身と、三島煌一がいれば負けることはありえないだろうね?』
脳内ホープは言った。
じゃー、私達が協力しようがしまいが勝つってこと?
『それは絶対とは言えないけど、勝算自体はあるって感じだろうね?ただ三島莉緒那としては、私達を敵に回したくないってのが、最優先みたいだね?』
断ったらどうしてくると思う?
『おそらく三島莉緒那の性格上、最初は脅し…それでもダメなら協力関係を一旦保留にして、美月ちゃんの周りの人達から見せしめに何人か…』
そんなの絶対ダメだよ!!
私の答えは決まった。
「…わかりました。その条件で大丈夫です」
「ふふっ、しばらくホープと相談していたみたいだけど、いい答えが聞けて嬉しいわ。あ、勘違いしないでね?内容までは予想はできても完全にはわからないわよ?一応若い頃ならそれもできたんだけどね?」
『若い頃の三島莉緒那は他者の感情を読めたっていわれているよ。心理学の最上位互換を天才といわれる並列思考で読むことによって、私に匹敵する正当率を持っていた可能性が高いよ』
うん…化け物の妹が普通の人間なわけがなかった。
『まあ、今でも他者の嘘を見抜くぐらいの能力は持っているといわれているよ』
いや、先に言ってよ。
私は思った。
そのあとは詳しい話は追って連絡するという話になり、三島莉緒那…そして、三島煌一と連絡先を交換すると二人は帰っていくのだった。