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第66話三島兄妹2


「じゃー、ここからが交渉ね?一度断られちゃったけど、もう一度聞くわ。もうホープをあたし達に渡せとは言わないわ。そんなことはとても対等な関係からは逸脱しているしね?さっき、そこのクソ兄貴がホープに言ったのは断られたけど、あたしは美月ちゃんに聞きたいわ?どう?あたし達と組まない?もちろんタダでとは言わないわ。対価にあなたが望むものをなんでも差し出すことを約束するわ」


三島莉緒那はお互いが対等ということを確認しあった後に言った。


「…ちっ…」


三島煌一はいろいろ気に入らないのだろう…

どす黒い殺気が今にも可視化しそうな雰囲気である。


『美月ちゃんが選んでいいよ?私からは正直どちらがいいとも言えない。まあ、説明するまでもなく美月ちゃんなら私の言葉の意味がわかっていると思うけど…」


そう。

ホープが言いたいことはわかる。


このまま三島莉緒那の提案を蹴るのは簡単だ。

けど、提案を蹴った場合、当然三島莉緒那や三島煌一とは敵同士になる。

今回は三島煌一、単体と戦ったから、私というお荷物がいる状態のホープでもなんとか戦うことができた。

まあ、戦闘自体は押され気味で、切り札の核爆弾を仄めかしてようやく交渉の席にまで持っていったのだが…


そして、三島莉緒那の提案を受けた場合…

それは三島莉緒那たちが私の味方につくことを意味する…

マリア…そしてガスポート…

ホープが妹だというアメリカとロシア製の模倣型人工知能…

ホープよりも性能は劣るらしいが、ヤツらにはホープにはある私というお荷物が存在しない。

手段を選ばなければ私を殺すのは容易だろう。

三島莉緒那の提案を受ければ、マリアとの戦いに強力な味方ができるばかりか、ガスポートとは敵対せずに済む。


ここまでを聞けばいいことばかりな気がするが、もちろんデメリットもある。

それはガスポートがこちらにつくということは、マリアとの関係は完全に修復不可能なものになるということ…

それこそ、マリアは前述した手段を選ばない方法をとる要因になりかねない…


それに…


これは単純な私の感情だが、この人達はお世辞にもいい人とは言えない…

むしろ、人間じゃなくて悪魔か何かだと言われた方がしっくりくるぐらいだ。

三島莉緒那の提案を飲めば私も悪魔の仲間入りである。


私は考える…


そして、考えた末に私は口を開くのだった。

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