第61話三島煌一3
怖い…何か話しただけで殺されそうである…
直接見るまではわからなかったが、三島莉緒那に感じた背筋に冷たいもの…
それがこの男の場合はそんなものではない…
気まぐれでいつでも殺せる…
私はそんな不気味と言うのも生易しい生物としての本能的な恐怖を感じた。
『大丈夫、…約束破って悪いけど、追加で10体のスナイパードローンにこの部屋を狙わせてる…死角はないはずだよ』
いつもならふざけんなって話になるそれも、今は気休め程度にしかならない…
それだけこの男からはやばいものを感じた…
「…まあ、いいや。なあ?そいつを俺に………」
次に続く言葉は寄越せ?
そいつとはホープのことだろう。
だが、目の前の存在…
三島煌一の次の言葉は私の予想を大きく裏切った…
悪い意味で…
「…やっぱりいいや。人工知能のホープだったか?莉緒那を止めた実力見せてみろよ?」
三島煌一はゆっくりと殺気を漲らせながら私へと歩み出す…
『来るよっ!!』
「伏せてっ!!」
ホープが言うか言わないかのうちに私は叫んでいた。
この直後何が起きるか、私だけが知っていた。
そして、その直後、スナイパードローンからの弾丸の嵐が三島煌一を襲う…
「くくっ、身の危険を感じたらすぐさま攻撃か…いい判断だぜ?実弾ってのもまた高評価だ」
銃弾を避ける…
そんなことは聞いてはいても私は半信半疑だった。
三島莉緒那の人間だと思わない方がいいと言う言葉が私の脳内にこだまする…
三島煌一はまるでどこから銃弾が飛んできているのかがわかるかのように、見るまでもなく躱す…
その直後だ。
ガラスを突き破って私の護衛ドローン…
白い旧型が40体と黒い新型が10体がなだれ込む…
「おい?八神?借りるぜ?」
その言葉と同時に三島煌一は一瞬消えたかと疑いたくなるようなとんでもないスピードで移動すると、次の瞬間には部屋に飾ってあった日本刀を手に取っていた。
そして…
バギャンっ!!
鞘も抜かないまま無造作に振られた三島煌一の日本刀の一撃は白いドローンに直撃し、そのまま真っ直ぐ私に向かって恐ろしい速さで接近する…
え?死んだ?
私は咄嗟にそんなことを思った。