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第57話転校生4


「…親交ですか。人間は面白い表現を使いますね?どちらかと言うと皮肉と言う表現の方がしっくりきますが」


「感情はわからなくても、理解能力自体は文句のつけようがないね。さすがは私の妹だよ」


「ご謙遜を…最高のAIはお姉様ですよ?少なくとも今は譲る他ありませんしね?」


皮肉を完全に使いこなしているマリアに、私は少し驚いた。


常識がなくて、感情だけが先行しているホープと最初に会った時も驚きの連続だったが、マリアの場合は感情そのものが存在しないらしい。

これはこれで不思議な感じである。

私は思った。


「譲るついでに…まあ、本当はこれから敵同士になる妹にあまり手のうちは見せたくなかったんだけど、美月ちゃんの頼みだから仕方ないよね?その体も譲ってもらうよ?」


その瞬間だ。


「なっ!?」


マリアだったもの…外国人の少女の動きが硬直する…


「ふふっ、やっぱり自爆させないようにするには、一気にやらないとね?あ、ハッキングなんかさせないよ?」


九官鳥ホープは言った。


どういうこと?


私はホープのその言葉に疑問を持った。


私の頭に直接ホープの言葉が流れ込んでくる。


『美月ちゃんのわがままを聞いた私を褒めてほしいな。自爆させないぐらいのスピードでICチップを乗っ取るにはさすがに私のスペックの8割をそっちに割かないとできない。でも、そんなことをしたら私のドローンやこの九官鳥が逆に乗っ取られるカウンターを食らってしまう。今の会話で…いや、たぶんそもそも最初からバレている可能性が高いけど、私の弱みは美月ちゃんだってことは知られてるしね?案の定、マリアは九官鳥と黒いドローンにハッキングをかけてきたよ。まあ、万全の私がそんなもの食らうわけがないけどね?』


ホープの弱みは私…

思い当たる節は確かに多々ある。

だって異常な程に過保護だもん…


それより…万全?

8割をICを乗っ取るのに割いたんじゃないの?


『それは…』


その時だ。


「…やってくれましたね…。まさか私にも妹がいたとは…それも2人も…いや、姪と呼んだ方がいいですか?」


校内放送用のスピーカーからマリアの声が響くのだった。

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