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第52話ホープVS三島莉緒那3


三島莉緒那は即座に予測を確信に変える…

そしてそのあとの行動も早かった。


部下達にすぐさま銃を捨てて別の攻撃手段に切り替えるように指示を出す…


だが…


「は!?」


マスクの中で三島莉緒那は思わず声を上げてしまった。

自慢の部下達…

そこいらの軍隊よりよほど優れた能力を持つと自負する部下達が誰一人自分の指示を聞かずに銃撃戦を続けているのだ。


なんで…


そう思ったのも束の間…


『通信システムハッキング完了ー。チェックメイトだよ?』


「!?っ」


普段は暗号文しか聞こえないはずの部下からの通信に使うイヤホン…

そのイヤホンからそんな声が流れてきたのだ。


「ミオサン?」


フロゲニが戦闘中の自分の異変に気づいたのは、さすがは元軍人と言ったところか?



ハッキングされた?

ってことは…

三島莉緒那はもはや部下には届かない命令をするのをやめ、暗号文なしでその存在に直接話しかける。


「…さすがは世界最高の模倣型人工知能と呼ばれるだけはあるわ…完敗ね…」


『気に病むことはないと思うけどな?人間で私相手にここまで善戦したのはむしろ誇るべきだと思うよ?』


三島莉緒那はそのセリフに苦笑する。


「それで?ホープ?勝負はついたと思うけど?あたしを生かしてまだ銃撃戦を続ける理由は何?」


もはや誰が見ても完全敗北である。

こちらの戦術は完封され、通信手段は封じられた。


若い頃ならあるいは…

いや、今よりも善戦はできたのかも知れないが、結果は同じだろう。


『いやさ?提案なんだけどさ?このまま退いてくれないかな?じきに警察も来るから私達も長いはしたくないしさ?』


「あんたなら、日本警察ごときどうにでもなるでしょ?」


『美月ちゃんの前でこれ以上殺したくないんだよ。悪い話でもないと思うけど?』


たしかに悪い話ではない。

あたしにとっては…


コイツならあたし達全員と日本警察を皆殺しにしても、余裕でお釣りがくる。

だからこそあたしは言わずにはいられなかった。

その一言を…


「…ずいぶんと甘いのね?そんなやり方だとそのうち後悔するわよ?」


『………』


それに対してホープは何も言わない。


しばらく意味のない銃声だけが夜の街にこだまする…


そして…


「…いいわ。退くことにする。まあ、近いうちにもう一回来るわ。その時は殺し合いじゃなくて、対話にね?それと…」


三島莉緒那はそこで一度言葉を切る…


「…あたしが失敗したとなると、おそらく今度はクソ兄貴が…三島煌一が直々に出張ってくるわ。これは忠告よ?アイツはバカだけど、あたし程甘くはないわよ?というか、アイツを人間だと思わない方がいいわよ?」


『忠告感謝するよ』


ホープのその言葉と共に通信手段が再び三島莉緒那の手に戻り、三島莉緒那は撤退の指示を出すのだった。

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