第46話歓迎会後…
新一年生の歓迎会は滞りなく…いや、むしろ盛り上がり過ぎたと言うべきか…
現在は解散して、私に付き添う未亜……(むしろベロベロに酔っ払っているから私が家まで送ると言った)…と二人での帰り道だが、時刻は既に深夜の3時である。
「姉御〜。女の子の一人歩きは危ないんですよ〜。未亜が〜姉御を守るんで〜。離れちゃダメです〜」
未亜は言いながら私に抱きついてくる…
近くでわかる吐息がとんでもなく酒臭い…
どんだけ飲んだのよ?この子…
「…はいはい。肩かしてあげるからちゃんと自分で歩いて?」
「姉御のそんな非力なところも〜可愛くて守ってあげたくなっちゃいます〜」
余計なお世話だ。
たしかに華音だったら未亜を背負って家まで運んで行くだろう。
無論、私にそんな力はない。
なんとか背負うだけはできるかも知れないが、10メートルも歩かないうちにへばる自信しかない。
「守ってくれなくていいから真っ直ぐ歩いてほしいんだけど…」
「姉御〜。そんなに二人で話さなくても〜。どっちの姉御の話を聞けばいいんですか〜?未亜的には大好きな姉御が二人になって嬉しいんですけど〜困っちゃいます〜」
うん、どうやら未亜には私が二重に見えるらしい…
重症だ。
そんなこんなで私が未亜を介抱しながら歩いていた時だ。
ふいに九官鳥ホープが口を開く…
「美月ちゃん、気をつけて。左に5…右に7…後ろに3…正面から2人だよ。全員明らかに素人の動きじゃないよ」
「は!?」
私は素っ頓狂な声をあげた。
素人じゃないってなんなのさ!?
「熱感知は反応は正面の2人のうちの1人以外は無反応だから、かなりの武装をしてるよ。最悪銃撃戦になる可能性があるから気をつけて」
ホープのその言葉と共に40体の白いドローン…
そして、プロペラがなく、なんで浮いているかホープから説明を受けても未だによくわからない、10体の黒いドローンが私を守るように取り囲む。
そして、ホープが言った存在…
他はまだわからないが、正面の二人はすぐに見えてくる。
体型から分かるのは、女が一人と大男…
それも身長が2メートルはあるだろうの化け物だ。
女の方は完全武装しているから顔はわからないが、男の方は街頭に照らされた顔が見えている。
ロシア人…
私は思った。
女の方がまるで宇宙服にしか見えないマスクを外す…
街頭に映し出されたその顔…
「綺麗…」
私は自分が危機的状況なのも忘れて思わず呟いてしまった。