第34話情報2
〜30分後〜
「うん、だいたいわかった…もう情報がパンクしそうだけど」
「ワタシガ、ゼンブ、オボエテルカラ、ダイジョウブダヨ」
萌の話で一応屋上メンバーの異名と、名前が一致した。
ついでに、私の華音や未亜との事件も既に知れ渡っているということも判明した…
オーケー…
もう平和な学園生活は不可能なようだ。
ならもういいや…
まだ数日だが、華音達と過ごしたこの数日は、はっきり言ってめちゃくちゃで学園生活と言えるかどうか微妙だけど楽しかった。
「ミヅキチャンモ、ダイブ、ドクサレテ、キタネ?」
「あんたのせいでね?」
口ではそう言った私の表情は明るかった。
萌はなんのことかわからないようだったが、私に直接聞く勇気はないのだろう。
萌は愛想笑いを浮かべている。
〜
さて…
萌を帰らせてから私は麻雀卓に戻る。
もはや今日は授業を受ける気はしない。
〜約1時間後〜
「なあ?さすがに飽きねーか?朝から交代交代ずっとやってるぞ?ウチら?」
最初にそう言い出したの華音だ。
「まあ、たしかにな…もう今日はフケてどっか行くか?とりあえずジョン先輩の店でどこ行くか決めるか?」
麻雀に飽きた他の屋上メンバー達もその猛先輩の意見に賛同して続々と集まってくる。
ちなみにジョン先輩とは、たしか私の歓迎会の時に店を貸してくれた人だ。
私たちの中学のOBらしい。
私達は屋上を出る。
〜
「ちっ…今何時だ?うぜーな」
「華音さん、みんな帰る時間みたいっすねー?退かしてくるっすか?」
人混みにイラついた華音にそう答えたのは、たしか比護光真って子だ。
どうみても小学校低学年にしか見えないが、れっきとした中1で一年極悪四天王の一人だ。
たしか異名はブラッディーエンジェル…
直訳すると血塗れ天使…
背が低く、童顔で守ってあげたくなるような彼に天使という言葉はしっくりくるが、前述された血塗れの文字で彼が極悪四天王と呼ばれる意味はなんとなく察した。
そして、たぶんこないだ、第一中の女子が話していた会話と萌から先程聞いた話を合わせると、莉奈や未亜よりも実力は上のようだ。
私がそんなこと思いながら見てると…
「ん?みづ姐?ちょっと待つっす。今行って…」
そんな光真君の恐ろしい会話が聞こえたかはわからないが、廊下の人垣は真っ二つに別れるのだった。