第33話情報
「しっ失礼しますっ!!」
ギロリ…
屋上メンバーの恐ろしい眼圧に萌はたじろぐ…
「誰?あの子?来る場所間違えてるんじゃない?」
咥えタバコのままそう言ったのは、コンガリ小麦色に焼けた肌が似合う女子…
3年の永海先輩だ。
永海先輩はそのまま萌に向かって歩き出す。
「永海先輩、待ってください。私が呼んだんです」
永海先輩の足がピタリと止まる。
未亜にはじまり屋上メンバーの思考回路にだいぶ慣れた。
先に釘を刺しておかないと何をしでかすかわからない。
「なんだー。みーちゃんの下の子かー。ごめんごめん、立場のわかってない生意気なガキかと思って、根性焼きで女版クリ○ンにしちゃうとこだったよ」
「ひっ…」
さらっと恐ろしい一言を言った永海先輩に私は軽く会釈をすると、萌の方に駆け寄る。
信じられないことにこの先輩は、萌のオデコにタバコの火を押し付けようとしていたようだ。
恐怖体験をした萌はもはや涙目である。
「呼び出してごめんね?華音、ちょっと萌と話してくるから、私とホープの代わりに…」
「今日は割と頭がはっきりしてるので、私が入りますよ」
「寝不足じゃねー莉奈は強いから極力やりたくねーな」
「猛先輩?負けるのが怖いんですか?」
「上等じゃねーか。ボコボコにしてやるよ」
莉奈と猛先輩はそんなやりとりの後に麻雀卓に座る…
〜
私がソファーとは少し離れたところにある、パラソルのついたパイプ椅子に腰掛けると、付属でついている小さい卓に九官鳥ホープもチョコンと腰を下ろす…
「立ち話もあれだから座りなよ?」
「いえ、私はこのままで…場違い感が凄いので…」
萌はちらりと麻雀卓に集まる屋上メンバーに視線を向けると言った。
まあ、可哀想だけど今日は私があの教室にいれなかったから勘弁してほしい…
「ごめんね?」
「いえ、美月さんに謝っていただく必要などありません」
この数日で私達の立場は完全にひっくり返っている。
そのことを改めて私は痛感した。
麻雀卓側の会話は、何か話していることはわかるのだが、はっきりとは聞き取れない。
つまりこちらの会話も向こうには聞こえないということだ。
なら本題に入ろう。
「私の噂の話とこの学校の…あの人達のことについて教えてくれない?」
「はい」
萌はそう言って口を開くのだった。