第29話九官鳥2
朝食のあと、家を出る前に少し時間があった為、私は恐ろしい九官鳥の機能について聞くことにした。
〜
〜10分後〜
うん…アウト…
中学生どころか一般人が使っていいものでは絶対にない…
まず比較的優しい武器から説明すると、九官鳥の口から噴射される催涙ガスと、足に付いているスタンガンだろう。
てかその足で私の肩に止まったよね?
信じられないんだけど?
「ワタシガ、セイギョシテテ、ゴサドウナンカ、アリエナイカラ、アンシンシテ?」
いや、普通にスタンガンの足で肩に止まられるのが嫌なんだけど?
だが、残念ながらそんな私の抗議はホープには届かなかった。
次にまとも…いや、まともな武器なんか一つもないが、まだ安全なのは九官鳥の左目についている、未亜と戦った時に使った、プラスチックの弾丸だ。
と…安全なのはここまでだ。
残る4つは殺傷能力の塊である。
九官鳥の右目に搭載されているのは実弾…
催涙ガスと同じモーションから繰り出される口から噴射されるサリン…
翼に搭載されているプラスチック爆弾…
ちなみにこの九官鳥は普通に飛べるらしい…
どういう原理かは知らないが、バッテリーもかなりの時間が…それこそかなりの時間、交換の心配がいらないらしい。
そして最後の武器が問題だ。
「核は絶対ダメだよっ!?」
私は叫んだ。
そうバッテリー部分…
動力部分はホープの話を信じるなら、超小型の原子炉になっているらしい…
そして最悪は暴発させることで自爆できるのだと…
作ったヤツは天才かも知れないが、それ以前に大バカ野郎である。
「マー、サイゴノハ、オマケダヨ?タブン、ツカウコトハ、ナイデショ?ア、カノンガ、キタミタイダヨ?」
どうやら華音が迎えに来たようだ。
私は玄関を開ける。
「なんだ?美月?鳥でも飼ったのか?」
言いながら華音は九官鳥に手を伸ばす。
「ヤア、カノン、ヨウヤク、ドウドウトハナセルヨウニ、ナッテサ?アラタメテ、ワタシハ、ホープ、ヨロシクネ?」
華音の伸ばした手がピタリと止まる。
そう。
華音にはわかったようだ。
ホープを名乗るこの鳥が普通な訳がないことに…
「おい…美月?肩に危険物がついてるぞ?」
「シツレイダヨー?」
九官鳥ホープが抗議の声をあげるが、私も同感である。