第28話九官鳥
「なんで九官鳥がっ!?」
私の頭は信じがたい出来事に強制的に覚醒した。
意味がわからない。
「フフフ、ヨクゾキイテクレマシタ、ミヅキチャン…」
発音は比べものにならないが、私はこんな言い回しを使う人物を…人物じゃないか…AIを一人知っている。
「ホープ?どういうこと?」
「ヨクキヅイタネ?ワタシガホープダッテ?マー、カンタンニセツメイスルト、ミヅキチャンノボディーガードダヨ?」
「ボディーガード?意味がわかんないんだけど?」
九官鳥は私の前に片足をあげるとチッチッチッといった風にポーズをとる。
なんかムカつく…
「チッチッチッ、キノウノデキゴトヲ、オモイダシテミナヨ?キノウ、ベツノチュウガクノ、セイトニ、カラマレタトキハ、ミアトリナガ、イタケド、イツモイルトハ、カギラナイ。ワタシノ、ドローンハ、ユウジサイノタメ、ミヅキチャンノ、チカクニ、ツネニ、スウヒャクタイハ、ハイビシテアルゲド、ソレデモ、タスケニイクノニ、スウビョウトハ、イカナイ。ソノアイダニ、ミヅキチャンガ、ケガデモシタラ、タイヘン」
「いや、そもそもそんなことしてたの?」
私はホープの衝撃の暴露の方に気がいってしまった。
ホープのドローンは屋上での未亜との戦いを見ればわかるように、下手な軍隊に匹敵する…
そんな存在を街中に平気で待機させてると言い放ったのだ。
「ダイジョウブ。カモフラージュハ、シテルカラ、バレナイ、バレナイ」
「そういう問題じゃないでしょっ!?」
私は朝から叫んでしまった。
「マー、ソレハ、オイトイテ、コノキュウカンチョウハ、ミタメハ、トリダケド、ナカミハ、セイコウナ、アンドロイドダヨ。チイサイカラダニ、ナナツノブキヲトウサイシテ…」
「今すぐ返してきな…」
「美月?あら?可愛い鳥ね?飼うのならちゃんと世話しないさいよ?」
母の登場で話はさらにややこしくなった。
お母さん、これは鳥じゃなくて小型の兵器なんだよ…
とはさすがに言えない。
そんなこんなでなし崩し的に我が家に九官鳥…もといホープの小型軍用兵器が家族?
…に加わってしまった…
〜
母が退室した後…
「チョット、イソイデツクッタカラ、マイクガ、ジャッカン、ザツダケド、コレデ、ドウドウトシャベレルネ?マー、ソッチハ、アシタニハ、カイリョウスルゲドサ?」
九官鳥ホープは私の肩に止まると言った。