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第22話下校



その後、もはや授業は終わっている状況なので必然的に帰ることになる…


ちなみに現在の私は手ぶらである。

何故なら手荷物は未亜に奪われたからだ。


「鞄持ちも舎弟の務めですよ〜?姉御〜」


だそうだ。

家に着くまで返してくれそうにない…


「…舎弟にした覚えないんだけど…」


「そりゃ〜未亜じゃ力不足かも知れませんが近いうちに必ず姉御の信頼を得て見せますよ〜」


未亜はそんなことを言いながらホープに折られたのとは別の木刀を私の鞄を持っていない方の手で担ぎ直す。


莉奈もそうだが一体いくつ予備を持っているのだろう…

私はそんなどうでもいいことを考える。


学校を出た私達はそのまま歩き出す。


「姉御〜?華音先輩〜?この後ってどうなさいます〜?」


帰宅部である私はこの後は特に予定はない。


「あたしには聞かないの?」


「あれ〜?莉奈〜?いたの〜?」


その未亜の発言が癪に触ったのか莉奈がそんなことを言うと一瞬二人の間に険悪なムードが流れる。


「おいっ!!やめろ。美月の前だぞ?」


「はい、すいません…」


未亜は普段の間延びした話し方をやめてそう謝罪した。


一年極悪四天王ってのは、あまり仲が良くないのは未亜と莉奈の関係を見れば明らかだ。


「てか未亜ちゃん?それ綺麗だね?どこで染めたの?」


私は話題を変える為に未亜の髪色に対しての話を振る。

未亜の髪は黒髪をベースにピンク色のメッシュが散りばめられている。

そのスタイルから思うに未亜は莉奈とは違い、狂い桜というあだ名を嫌ってはいないようだ。


「え〜姉御〜ありがとうございます〜。自分でですよ〜?よかったら姉御のも未亜がやりましょうか〜?姉御ならお揃い大歓迎ですよ〜?」


「いや…それはやめとくかな?」


「そうですか〜…」


未亜はしょんぼりといった風にそう言った。


今度は未亜が口を開く。


「てか姉御〜?未亜ちゃんなんて他人行儀な呼び方やめてくださいよ〜。未亜でいいです…いや、むしろそう呼んでください〜」


「あたしも莉奈って呼んでくれた方が…無理にとは言いませんが…」


未亜の言葉に同調してきた莉奈に未亜は一瞬嫌な顔をするが、先程の華音の言葉が効いているのだろう。

すぐに表情を戻す。


舎弟とか正直微妙だしよくわからないけれど、後輩としてこの子達と仲良くなること自体に不満はない。


「うん、未亜、莉奈。これからよろしくね」


それは私に後輩が二人できた瞬間だった。

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