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第20話狂い桜


時は少し遡る。


屋上での昼食の終わり際…


「華音先輩〜?未亜〜今でも信じられませんよ?華音先輩が負けたなんて〜?」


きっかけは未亜のその一言だった。


もうなんだかんだで全員が食べ終わっていた為か、華音はタバコに火をつけて一服している。

華音はこういうところがヤンキーの癖に律儀である。


「信じられねーも何も事実だからな?美月はウチに勝ったぞ?道具ありでも負けたのなんか久しぶりだがな?」


華音は特に気にした風でもなくそう言った。


逆にそれが未亜の気に触ったのだろう。


「へぇ〜じゃあ〜未亜が美月先輩に勝てばこの学校の女子で未亜がトップってことですよね〜?」


「やりたきゃやればいいがたぶんお前じゃ勝負になんねーぞ?…ウチも勝負って言える勝負になったとは言えねーが…」


ピキッ…


その瞬間だった。

一瞬屋上の空気が凍りついた。


そう。

ここに集まっているのは、皆腕に覚えのある学校内の猛者なのである。

もっとも面と向かってそれを言われた本人はそれどころではなかったが…


「へぇ〜?負ける気がしないですね〜?美月先輩〜?食後の運動しましょうか〜?まさか逃げないですよね〜?」


「え…いや…」


完全に断れない空気である。


『生意気な後輩だねー?教育してあげようか?』


そして例のごとく私の相棒は乗り気である。


「…なんとか喧嘩しないですまないかな?」


『無理だね?ここで退いたら華音の顔を潰すことになるからやるしかないと思うよ』


スマホに打ち出されたホープの文面は非情である。




そして…


「先輩〜?未亜〜ドキドキが止まらないですよー?華音先輩に勝った美月先輩とやりあえるなんて〜」


屋上で一定の距離を置いた未亜はそんなことを言ってくる…


「私も美月先輩の喧嘩気になるんですよね。華音さんとかはオーラでもう化け物なのがわかるんですけど美月先輩からは何も感じなくて…」


莉奈は言った。


当たり前だ。

私は普通の中学生だ。


「あ、ちなみに未亜は私といい勝負ですよ?」


「未亜の方が上ですよ〜?」


「どの口が言ってるの?あたし達決着ついたことある?」


未亜と莉奈はそんなやりとりをする…

二人はライバル関係なのかな?


屋上にいたメンバーも私と未亜を面白そうに見ている。

止めるつもりは一切ないらしい。


「美月先輩も武器使うスタイルですよね〜?未亜も使うんで好きに使ってくださいね〜?」


未亜は言いながら木刀を構える。


もうどうにでもなれ…


ついに私も覚悟を決めた。

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