第19話屋上にて…2
「んなんだからてめえはいつまで経っても彼氏できねーんだよ?」
「…失礼ですけど、そういう華音さんだっていないじゃないですか?」
「あ?ウチはいいんだよ?」
華音と莉奈のそこからのそんなやりとりがはじまる…
ガールズトークなのかな?
だとしたら私も入りたいけど、私に振られても私は恋愛経験は皆無である。
私が入ろうか迷っていると…
「…うるせーなっ!!頭がガンガンするだろうがっ!!結論から言うとお前ら二人は女じゃねえ!!ゴキブリと同居しているヤツも入学して1週間で俺に喧嘩売って勝っちまうゴリラも論外だよっ!!」
頭を抑えながら黒髪オールバックのイカツイ男…
こちらもとても中学生には見えないが、剛先輩が起きてきた。
ゴキブリと同居は莉奈のことでゴリラは華音のことだろう。
「あ?余計なお世話だ。てか剛?相変わらず酒弱いな?てめえが寝てるからみんな食えなかっただろうが?てめえのはウチが適当に頼んどいてやったからありがく思え?」
「俺の金でなっ!?」
華音のその発言に猛先輩は即座に突っ込みをいれた。
そんな華音に対して剛先輩はゲラゲラと笑っている…
なんか求めてたものとは違うけど、こういうのが友達って言うのかな?
私は少しだけ嬉しくなった。
「てか先輩方〜?そろそろ食べません〜?美月先輩は未亜達と違って授業出てるから何も食べてなさそうですし〜」
ソファーの端っこの方から間延びしたそんな声が聞こえた。
この子はたしか…
「まあ、そうだな。美月、悪かったな。食おうぜ?」
華音は未亜と呼んだその子にそう言ってから私にそう言った。
桜井未亜…
これは後に萌から聞いた話だが、狂い桜の異名を持つ一年極悪四天王の一人だ。
「じゃーまあ…」
華音は全体を見渡すと口を開く。
「猛に万枚出させてくれたミリ○ンゴッドに感謝して…」
「いや俺に感謝し…」
「「いただきます!!」」
猛先輩の抗議の声はみんなのいただきますにかき消された。
ヤンキーだけどこういうことはキチンと?
キチンとなのかはわからないけど、その行動に私は好感を持った。
〜
そのあとは別の人と会話していた人達も会話に加わり、屋上でのお昼は平和に過ぎ去った。
もっとも最後まで平和に終わらなかったが…
〜
〜現在〜
「先輩〜?未亜〜ドキドキが止まらないですよ〜?華音先輩に勝った美月先輩とやりあえるなんて〜」
そう…
私は現在、すっかり豹変した未亜に喧嘩を売られているのだ。




