第17話教室にて…6
「…死神女王…」
「良輔っ!?」
吸血姫発言から何も学ばない良輔のバカな発言に萌は叫んだ。
オーケー…
酷いあだ名がついてるのはわかった。
『自分をいじめてた輩を呪殺で皆殺し…さらには暴君女帝の華音の隣で女王のように君臨する…うん、ぴったりだね?』
いや、全部あんたのせいじゃね?
私はスマホに表示された無責任な文章にそんなことを思った。
「すいませんっ!!付けたのは俺じゃなくて…」
私は良輔から萌に視線を移す。
「…すいません、気づいた時にはみんなそう呼んでたので私にも誰が付けたのかわかりません」
「はあ…」
私はため息を吐いた。
さようなら…平和な学園生活…
どのみち私には縁のないものだったのかな…
〜
そんなこんな話てる間に授業間の休み時間は終わり、四限目は特に何事もなく…
…クラスメイトの異様な気遣いは相変わらずだが、莉奈が乱入してくるようなこともなく過ぎ去る…
〜
そしてお昼…
私は席から立ち上がる。
「美月さん、給食を食べるなら私がとってきますが、美月さんは屋上に行かれます?」
萌がいらない気遣いでそんなことを聞いてくる。
「うん、華音にも莉奈にも行くって言ってあるしね」
私は言いながら教室の外に出る。
〜
二年の教室は二階だ。
屋上に行くには三階…
つまりは三年の教室があるフロアを通らなければならない。
この学校は学年を見分ける為に制服のネームプレートや上履きのライン部分に学年カラーが刻印されている。
ちなみに二年である私のカラーは赤で三年は青である。
そんな私が三年の廊下を歩けばそれは目立って当然だ。
「何あの子?教室間違えてるの?」
「しっ!!あれが噂の死神女王らしいよ?」
「えっ!?あれが暴君女帝を瞬殺したっていうっ!?」
三年の先輩方がそんなことを口走るが、特に話しかけられたわけでもないので私はそのまま歩く。
華音と私…いや、やったのはホープだが…喧嘩って言うのかな?
に至っては瞬殺って程に瞬殺ってわけでもなかった。
華音は脅威的な身体能力でホープの兵器ドローンをいくつか叩き落としているので、実際には数秒はかかっている。
まあ、いちいち訂正することでもないので私は無視する。
そして…
「美月?やっときたか?丁度いいや。さっきウー○ーも来たとこだよ」
屋上に足を踏み入れた私に華音のそんな声が聞こえた。




