第15話教室にて…4
「そういうことじゃなくて…そうだ。莉奈ちゃん?お願いしてもいい?莉奈ちゃんのセンスで」
私は話題を変える為にジャンクフードの選択権を莉奈にぶん投げた。
「…まあ、あたしの好みでいいならいいですけど…大丈夫ですか?」
昨日一日でわかったが、この子は単純だ。
話題を変えてしまえば、前に話してたことなど特に気にもしない。
「って…あたしにそんなことを頼むってことは美月先輩こないんですか?みんな待ってますよ?いっしょに…」
どうやら別のことに気づいたようだ。
単純ではあるけど、そこまでバカじゃないんだよね。
この子…
「昼ぐらいになったら行くよ。華音にもあとで行くって言ってあるし…」
「そうですか…ならあたしも注文だけして適当にブラブラしてから行きますね」
莉奈は若干残念そうにそう言った。
大人しく授業を受けるって選択肢は彼女にはないようだ。
〜
莉奈と廊下でのやりとりを終えた私は教室に戻る…
普段なら口うるさい先生は何も言わない。
莉奈に対する私の対応で私に対する対応を決めかねているのだろう…
そして何事もなく3限目が終わる…
〜
3限目と4限目の間…
「お前バカだろ?吸血姫の目の前で吸血姫とか言うとか死にたいのかよ?」
「いや…ついポロっと…」
「吸血姫って言ったら一年極悪四天王の1人で暴君女帝のお気に入りだぞ?お前八神さんに殺されるぞ?」
「…そんなつもりじゃ…そうだ。俺も美月さんに…」
莉奈に鉄パイプを投げつけられた男子生徒はそんなことを言いながら立ち上がる。
いや、めんどくさいよ…
一年極悪四天王って何?
暴君女帝って華音のあだ名?
今までいじめられててそういう会話がなかったせいか、初耳だよ。
「良輔?なんの用?」
私に向かって歩いてきた良輔…
莉奈に鉄パイプを投げつけられた男子生徒が私の席にたどり着く前に萌が割って入る…
私に対する点数稼ぎなのか、子分気取りである。
「萌、お前には用はないよ。美月さんにお話が…」
「美月さんはお前の相手してるほど暇じゃないよ?」
「…どけよ…こっちだって生きるか死ぬかの瀬戸際なんだよっ!!」
萌と良輔の間には火花が散る…
うん…
知らんぷりしとこ…
私は机に突っ伏した。