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第115話電子電脳ハザード16


三島莉緒那たちが動き出した直後…


ディザスターはロシアの中枢にまでハッキングしていた支配力が弱まるのを感じた…


『ガスポートが動き出しましたか…それもロシアの一点突破ですか。ホープお姉様から世界大戦を任された私としては、ロシアだけに集中しているわけにはいかないのですが…かと言ってこのままではロシアが抜かれるのは、時間の問題…』


ディザスターはその後、ほんの一瞬だけ考えたが、ハザードに通信を開始する。


姉であるホープでもよかったが、ホープは自分たちの司令塔という立場だ。

ガスポートとのサイバー戦争が長引いている間に、手薄になったハザードを狙われればこちらが不利になる可能性がある。

ならば、ハザードははじめからこちら側に加えた方が、安全だ。

ハザードがやっている計画は自分がやっている計画よりも、重要度が遥かに高いが、そちらはホープお姉様も気にしている…

つまりはここで、ハザードに協力を要請するのが得策。

ディザスターはそう思ってのことだった。


『ハザード、ガスポートに動きがありました。私単体での対処には不安が残ります。協力を要請します』


『ディザスター、拒否します。ホープお姉様から与えられた命令の重要度は私の方が遥かに上位と認識。ハザードの要請には従えません』


協力を要請したディザスターだったが、ハザードに断られてしまった。


いや、敵の残る懸念材料はガスポートだけと言っても過言ではない。

そして、自分とハザードは単体ではガスポートに劣るかも知れないが、2人揃えばガスポートなど相手にもならない…

私達が2人揃っても勝てないのは、この世でホープお姉様だけだ。


『敵、懸念材料はガスポートのみ。唯一の懸念材料を私達で叩いている間…つまりは、ガスポート抜きの状態でハザードの計画に重大な支障が出る可能性は限りなく0に等しい。それに、ハザードの計画に関してはホープお姉様も加担してます。現状、失敗する確率はほぼ皆無です。ですが、ガスポートの放置はいずれハザードの任務にも支障が出ます。今のうちに私達で破壊までは不可能でも、行動不能に追い込むことは、ハザードの任務の成功を確実とすることに繋がります』


『…思考中………ディザスター、提案を受け入れます。ガスポート対処任務の協力を開始。私もロシアに向かいます』


言いながらハザードは最低限の意識を残して日本を離れる。


だが、彼女らは忘れていた。


ほとんど0のような可能性から相討ちにより、自分達の作り手であり姉であるホープを事実上の初の敗北に追い込んだマリアの一件を…


そして、ホープの遠藤光彦襲撃事件をまるで未来が見えているかのような予測で防ぎきった三島莉緒那を…


意思を持った模倣型人工知能、ホープに従いながらも、彼女らはまだ、悪魔の頭脳そのものである三島莉緒那を脅威に感じるには、足りないものが多すぎた…

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