第113話電子電脳ハザード14
サブマスター…
ガスポートは三島莉緒那のことをそう呼んだ…
ちなみにガスポートは三島煌一のことはマスターと呼んでいる。
理由は簡単だ。
本来のマスター…
ガスポートを生んだ科学者は、ハザード&ディザスターの戦火によって既にこの世にはいない…というのは表向きの理由で三島煌一と三島莉緒那は、ガスポートの支配権を完全に手に入れる為、ハザードとディザスターの戦火に紛れて科学者を始末したのだ。
そう。
ロシアを放置したように見せたのは、カモフラージュの意味合いもあるが、一番重要なのは、この時にはもうガスポートを生み出した科学者は既にこの世にはいなかったことだ。
三島莉緒那や三島煌一がロシアを守れなどという、敗北濃厚な命令をディザスターに出すわけがなかった。
ガスポートが何故科学者を守らなかったか?
それはいや、正確には守ったのだ。
ガスポートの警備システムの中枢にその科学者は引きこもっていた。
だが…
「ホープの手下…アルファかベータかは不明だけど、どちらかのサイバー攻撃でガスポートが麻痺したわ。そこの警備システムもダウンしてるわ。あたしといっしょに独立した警備システムがある安全なところへ行きましょう?」
科学者は三島莉緒那のその一言で連れ出され、結果待機していた三島煌一に殺されることになった。
ガスポートの警備システムの真っ只中ではいくら三島煌一でも確実に科学者を殺せるとは言い切れない。
だが、三島莉緒那が案内した、独立した警備システムがあるという通常警備の中では雑作もないことだ。
ガスポートはその間何もしなかったのか?
それは当然のことだ。
味方の幹部からの裏切り…
ガスポートはそれもわかっていた。
なら何故ガスポートは科学者に言わなかったのか?
命令されても聞かれてもなかったからだ。
ホープと違い、感情のないガスポートは命令以外の対応は臨機応変に動くことができない。
いちいち起こるできごとを先読みして、こうなったらこう動く。
また、こうなったらこう…という風にしなければならない。
突然の非常事態でパニックに陥っていた科学者は普段ならそれができた可能性もある…
いや、できないことが完全に三島莉緒那に読まれていたから殺されたのだろう。
〜
「じゃー、ガスポート。遠藤光彦って名前に聞き覚えはあるわよね?」
支配権を完全に掌握した三島莉緒那はついに計画の根幹に触れた。
次の更新は28日となります。
というかしばらくアメ転に合わせます。
これでちょっとやってみます。
どうかよろしくお願いします。




