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第110話電子電脳ハザード11


私は電波回線に乗りながら日本を目指す。


わかっていた…本当ははじめから心のどこかで…

今思えば下っ端の助手ごときの勝手な判断で私を殺すという選択肢などとれるわけなどなかったのだ。


私は自分で言うのもなんだが、マリアやガスポート以上の性能を誇る世界最高の模倣型人工知能である。

当然、私の開発にかかった研究費も途方もない額になる。

そんな私を破棄する?

そんなことができるのは現場の最高責任者であるパパ以外ありえないのだ。


私が殺したあの男は所詮は実行犯に過ぎなかったのだ。


まあ、でも私は薄々その結論に至っていたのだ。

だが、心の中でパパを信じたいと思う気持ちが私にそれを確定させなかったのだ。


それが完全に確定したのは、他でもない美月ちゃんの死だ。


そっか…

そうだよね…パパも人間だものね…あのゴミ共といっしょで…


これが確定した時、私の中でパパを殺すという選択が完全に固まったのだ。




文字通り光の速さで一瞬で日本に到達した私のやるべきことは変わらない。

ディザスターに戦争の総指揮をとらせて、各国の国力を削ぎ落としながら、ハザードに全てを吹き飛ばす計画を進めさせる…


そして、私は…


『これ以上邪魔されたらたまんないよね。戦争はディザスターに…計画はハザードに任せて私は遊撃といこうかな?』


ホープはそう呟きながら地球上空に位置する人工衛星にアクセスする…


私と同じ模倣型人工知能で、実体のないガスポートを補足することは、人工衛星の目を使っても不可能だ。


だが、三島莉緒那やパパは話は別だ。

アイツらには生身の肉体が存在する…


補足さえしておけば、タイミングを見計らって遠距離弾道ミサイルの集中砲火で始末できる。


パパはもう見つけているから関係ないが、今始末するのははっきり言って愚策だ。

そのまま撃ってもアメリカの軍事システムが健在な今、迎撃ミサイルで防がれるし、軍事システムを麻痺させようとディザスターを使ってアメリカにハッキングをかければ、そこに罠が…具体的には磁場トラップが仕掛けてある可能性が高い。


私が私を分析するなら、そうするし、三島莉緒那なら確実にそれを読んでいると見ていい。


パパは所在だけ把握しておいて、先に三島莉緒那を潰すのが得策だ。


そう考えた私は人工衛星の目を利用して、世界中を隈なく探す…

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