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第108話電子電脳ハザード9


ホワイトハウスに対する先程の轟音は、おそらくなんらかの軍事攻撃だろう。


「そうか…お前は変わったな…」


「ごめんねパパ?こうするしかないんだ…」


博士はその僅かな情報でホープが何をしようとしているのかを悟った。


先程のホープが最後に自分と話したかったと言った発言…

そしてホープが最終計画を止められるかも知れないと思っていること…

それは新たな模倣型人工知能を自分が開発し、ホープにぶつけるという僅かな可能性…

もちろん、そんなものを作れる自信はないし、ホープは自分のことを買い被り過ぎだ。


だが、ホープはそう判断を下した。


「…儂を始末するか…」


博士は呟いた。


「うん、仕方ないんだ。パパは数少ない、人間で私に勝つ可能性がある存在だからね…さすがに生かしてはおけない…」


悲しげにそう言ったホープの言葉の後に、次々と兵器を搭載したドローンが入り込んでくる…

そのドローン達に搭載されているのは、スタンガンや催涙ガスなどではない。


マシンガンにサリン…プラスチック爆弾にRPG…

大きなものには、地対空ミサイルが搭載されているものまである。


もっとも地対空ミサイルを積んだドローンはドローン自体の大きさもかなりのもので、部屋には入ってこずにホワイトハウスの防弾ガラス窓の向こうで留まっているのだが…


これらのドローン達はあらゆる可能性を想定して、たった一人を殺す為だけに集められたのだ。


「じゃー…パパさよなら…」


ホープのその言葉で覚悟を決めた博士は目を閉じる。


そして…




しばらくしたが、博士を貫く銃弾も、サリンのガス噴射も、ホワイトハウスを吹き飛ばすプラスチック爆弾の爆発も起きなかった…


逆に…


ガシャンッ…ガシャンッ…


ドローン達は次々と床に落下していく…


「ハッキング?いや…これは磁場か…やられたね…面倒くさがらずに本体で直接電話機に移らずにいくつものサーバーを経由したのは正解だったようだね…」


ホープは言った。



そしてこれをやった張本人は容易に想像がつく…

能力はともかく、ガスポートではここまで自分の行動を的確に読むことはできない。

もっとも実行犯はガスポートの可能性が高いが…


「三島莉緒那…」


ホープは世界で自分に勝てる可能性のある数少ない人間の名を呟いた。

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