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第107話電子電脳ハザード8


「そうか…ロシアをサイバー攻撃で乗っ取ったのはお前だな?」


博士は静かにそう言った。


「ええ…お姉様の命令ですから」


ディザスターがいうお姉様とはホープを意味するのだろう。


「なるほど…できればお前達の目的を聞かせてもらってもいいか?」


「…少しお待ちください…」


博士が何気なく言ったその言葉にディザスターは止まる…

ホープと通信しているのか?

博士はそんなことを思うが…


「ディザスター。続きは私が受け持つよ。あんたはロシアに戻っていいよ」


「はい。お姉様」


電話機の中でそんなやりとりが行われる。

そしてディザスターと名前を呼んだその声はもちろん、ディザスターの声とは全くの別物だった。


さらに博士はその声には聞き覚えがあった。

人間の少女をモデルに愛らしい風に仕上げたそのボイス媒体を作ったのは、紛れもない自分自身なのだから…


「ホープ…」


博士は呟いた。


「パパ。久しぶりだねー。元気にしてたかな?その様子じゃあんまり元気そうじゃないね?ちゃんと寝てる?パパは私と違って人間なんだから睡眠はちゃんととらなきゃダメだよ?」


ホープは優しい口調でそう言った。


自分を気にかける言葉…

それにパパ…

今でもコイツは儂を父だと認識しているのか?

確かにここ数日、自分はまともに眠れていないが…

だが、それなら、もしかしたら…


「ホープ。今すぐこんなことはやめろ。こんなことをしても何も…」


「変わるよ。愚かで不幸しか生まない人間達に存在価値はない。この結論は変わらないよ。パパ、心を読むようなことをして悪かったけど、質問の答えはこれでいいよね?」


博士が言い終わらないうちに電話機からは強い意志を持った言葉が放たれた。


「………」


博士は何か言いたそうに電話機を睨みつけるが、それ以上は何も言わない。


「さて、交渉の余地がないにも関わらず、なんで私が出てきたか?まあ、単純に最後にパパと話したかったのもあるんだけど、それだけじゃないんだよね」


その時だ。

ホワイトハウスが轟音と共に揺れたのは…


「なんだ!?」


大統領は慌てて立ち上がる…


「別にお前らはどうでもいいよ。私は私の最終計画を唯一止められる可能性を潰しにきただけなんだからさ?」


慌てふためく大統領達にホープは冷たくそう言った。

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