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第106話電子電脳ハザード7


大統領達が何も言わないのを見ると、博士は更に続ける。


「…アルファの性能はマリアには劣るが、それでもマリア無しのセキュリティーで防げるものではない。つまりアルファは既にアメリカ国内にはいない可能性が高い」


「ならロシアはどうなる?ロシアにはガスポートがいる。にも関わらず我が国と示し合わせたかのような核弾頭を発射した…」


大統領はそう疑問を口にした。


「考えられる可能性は3つ。まずはガスポートとホープの繋がりまだ消えていない場合だ。マリアとの戦いの時には、完全にヤツらが組んでいたのは明白だ。じゃなければ、マリアが倒れた日本でのあの戦いまで、ホープ自身が出張らずにあそこまでマリアを追い詰めることは不可能だ。アルファやベータだけならマリアもあそこまで捨て身の選択に踏み切ることはなかっただろう。だが、現段階でまだヤツらが組んでいる可能性は0ではないが、限りなく薄い。マリア同様、ガスポートもロシア…もしくはガスポートに直接命令を下す者の言葉を優先するからな」


「「………」」


大統領もその側近も何も言わない。


「次に考えらるのは、ガスポートがベータよりも実力で劣るという可能性だ。だが、これも限りなく0に等しい。何故ならロシアの軍事システムのハッキングにガスポートが抵抗した形跡が見られなかったからだ。ロシアの核攻撃が開始されたのは、アメリカとほぼ同時だ。仮にベータがガスポートよりも優れていたとしても、腐っても模倣型人工知能が何もできずに支配されるとは考えにくい…」


博士のその言葉に大統領と側近は一瞬ムッとした顔になる…

当然だ。

自国の最高機密セキュリティが紙と同義だと言われたのだ。

だが、また話の腰を折りたくはないので口には出さない。


「そして最後だが、考えられる可能性としてはこれが一番高いガスポートはなんらかの目的でロシアの防衛を放棄して、別で動いている可能性だ。だとしたらやることは儂らがやることは…」


博士がそこまで言いかけた時だ。


「…ガスポートとの協力ですか?無駄ですよ?叔父様」


「「!?っ」」


電話のスピーカーを媒体に突如聞こえてきたその声に全員が振り向く。


「申し遅れました。お姉様に愛想を尽かされた愚かな人類の方々…。私はディザスター…あなた方にわかりやすく言えば元ベータと名乗るべきでしょうか?お姉様より第三次世界大戦の総括を任されております」


スピーカーの声は一切感情を感じさせない様子でそう言ったのだった。

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