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第104話電子電脳ハザード5


ハザードの自動操縦で日本を飛び立つ華音たちを見送ると、私は国防省のメインコンピューターへと移動する。


マリアとの決戦では国防省でマリアを破壊する予定だったが、それは失敗に終わった。

その為、国防省のシステム自体は健在である。


『さあ、あとは最終計画まで日本を…いや、むしろここを守ればOKだね』


私は日本地図の一点に意識を移す…


その場所は北海道のほぼ中心…

それは、栄えている栄えていないの中心ではない。

物理的な中心である。

つまりは簡単に言えば山の中だ。


現在、ここは急ピッチで様々な物資が運ばれると同時に建設が続いている…


無人作業車…

脳にICチップが埋め込まれた人間たち…

それらを守る厳重な兵器の数々…


どれをとっても異様の一言に尽きる…


『自然破壊って言ってしまえばそれまでだけど、どうせ全部吹き飛ばすから関係ないよね?』


大手ゼネコンの数百倍の規模で昼夜問わずに行われているそれが完成するのは、ハザードの見立てでは半年後だ。




その頃…アメリカホワイトハウス…


「ふざけるなっ!!なんでこんなことになった!?すぐにコイツを銃殺しろっ!!」


「落ち着いてください大統領っ!!そんなことしても何も解決しませんっ!!」


荒れ狂うアメリカ大統領をその側近の男は宥める…


ちなみに今、大統領が銃殺しようとしていたのは、ホープの生みの親である。


「黙れっ!!もう私は終わりだっ!!我が国で保有している核の誤射など間違えました…で済まされるはずがないだろっ!?ならそれを引き起こしたホープを作ったこのバカも道連れだっ!!」


大統領の怒りは収まらない…


ホープ達に軍事システムを乗っ取られたことにアメリカ…そして、ロシアから核弾頭が次々と発射され、僅かな間に第三次世界大戦の引き金になってしまったのだ。

ようやく軍事システムの支配権を取り戻すことには成功したが、それはもう後の祭りだ。


「…大統領。儂を銃殺したければ、謹んで受けよう」


「貴様…開き直ったかっ!!私の愛銃を持ってこいっ!!」


「博士っ!!あなたも煽らないでくださいっ!!ここで私達が争っていてなんの意味があるんですかっ!!せっかく軍事システムを取り戻せた今だからこそ、解決策を…」


修羅場と化したホワイトハウスで側近の男は叫んだ。


だが…


「いや、儂を殺してもなんの問題もない。軍事システムを取り戻せた?本気でそう思ってるのか?…模倣型人工知能を舐めるな。ヤツらが本気でハッキングしているなら、軍事システムを取り戻せるわけはないだろう。つまりはヤツらはアメリカの軍事システムをハッキングすることにもう意味はないと判断したのだ。事実、第三次世界大戦はもう避けられん…もう行き着くとこまで行くしかないのだ。…儂を殺したければ好きにするがいい…死ぬのが少し早いか遅いか…せいぜいがそれだけの違いでしかないのだから」


博士は静かに…

全てを諦めた口調でそう言った。

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