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第9話友達5


疲れた…

現在の時刻は深夜2時…

私はようやく帰宅した。


一応途中で母には遅くなると連絡はしたが、まさか歓迎会という名の飲み会に連れて行かれるとは思わなかった…


私達の中学のOBの先輩がやっている店らしいが、未成年に平気で飲ませていた…

私はとりあえずウーロン茶に逃げたが、雰囲気に呑まれて酔っ払ってる気がするのは気のせいだろうか?


てか、華音に至っては昼間のダーツの時からずっと飲み続けているのに、全く変化がない。

もはや化け物だ。


『美月ちゃん、明日起こす?』


スマホにそんな文章が打ち出される…


母は…

さすがにもう起きてないか…


「うん…お願い…シャワー浴びて寝る…」


完全に疲れ切った私はシャワーを浴びてそのまま泥のように寝てしまった。




〜翌朝〜


ホープに目覚ましで起こされたけど、正直まだ眠い…


「美月?昨日遅かったみたいだけど珍しいわね?」


朝食中に母がそんなことを言ってきた。


「うん、友達とちょっとね…」


「若いうちはそーゆーのも大事だけど、一応未成年なんだから程々にね?」


母が軽めにそう叱ってくる…

言い過ぎると部屋から出てこなくなる私の性格をわかってか、かなり気を使った言い方だ。


母にとっては私が引きこもりになるよりは、夜遊びで帰ってこない方がマシなのかな?

私がそんなことを考えて家から出ようとした時だった。


ピンポーン


家のチャイムがなる…


比較的玄関の近くにいた私が出ようとするが、インターホンに映ったカメラを見て私は固まる。


ヤクザだ…ヤクザがいる…


インターホンのカメラには華音…

そして明らかに堅気じゃない黒スーツの男が映り込んでいる。


「!?っ、行ってきますっ!!」


母に見られたらマズイので私は荷物を持つと逃げるように家から飛び出した。




家の外には案の定、華音とヤクザが待っていた。


「よお?いつまで寝てるんだよ?莉奈じゃねーんだからよ?学校行くぞ?」


華音のギャルメイクとブランド服は今日もバッチリだ。


そして私の家の前には恐ろしいことに黒塗りのベンツが停車している…


そっか…

そーいえば華音はヤクザの娘だった…


「黒田。ウチは美月と歩いて学校に行くから帰っていいぞ?」


「わかりました。おやっさんにはそう伝えておきます」


黒田と呼ばれたヤクザ丸出しの男は私達に一礼するとベンツに乗り込んで走り去って行った。


「…ほっとくと中学の正面玄関にあの車を横付けするんだぜ?たまったもんじゃねーよな?あ、歩きたくなかったか?それなら明日からはウチの単車で来るけど?」


「歩きがいいよ!!」


単車…

私達は中学2年だから免許なんかあるはずはない。


一瞬で目が覚めた私はそう言って華音と共に学校に向かって歩き出すのだった。

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