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雨音

-1-


何となく寝付けない、寝床の寝心地が悪い訳ではないのだが何故か落ち着かない。


家の中にいたせいで単純に疲れていないのかも知れない。


雨音が聞こえてくる、かなり降っているようだがこれが理由という訳ではない。


布団を被り、目を閉じていればいつか寝るだろうと思ったが変わらず目は冴えたままだ。


寝相を変えてみたり、枕の位置を弄ったり、色々やってみたが少しも変わらない。


諦めてもう少し起きている事にするが、昼間にかなりの量の本を読んだから本を読む気分でもない。


不服ながら一段高い寝床から這い出て部屋を出る、長い廊下が両方に伸び、いくつかの扉が付いている。


陽の高い時とは随分雰囲気が異なる、静かなのは変わらないがより一層静かに感じる。


普段なら給仕の者や下宿の者がいるらしいが、博覧会の時期になると今みたいになるらしい。


明かりこそないが夜目は効く、屋敷の中をぶらつくぐらいなら心配を掛けることもないたろう。


厨房を少し漁ってみよう、何か食べられる物があるかもしれない、腹が膨れれば眠気も来るだろう。


「ティル?」


目的が決まったところで歩き出そうとすると不意に上から声を掛けられた。


丁度階段を降りていたラズリアが私の前まで小走りに近付くと視線を合わせるようにしゃがみこむ。


「ティルも小腹が空いた感じっすか?」


「そんな感じ」


「今からなんか作るっすけど」


「……食べる」


それはそれとして、作ってもらえるなら食べる。



-2-


「別にこのままでもいいっすよね?」


調理に使っていた取っ手つきの鉄板に完成した料理を入れてそのまま持ってきていた。


運ばれてきた鉄板を覗き込んでみると具の無いパスタにソースが雑に絡まっている。


確かに食器を用意するのは面倒くさいかも知れないが、あまりにも雑すぎないだろうか、ラズリアと鉄板とを見比べると弁明するように


「いやいや、夜食なんてこんなもんすよ、程々に腹が膨れたらそれでいいんすよ」


「食器取ってくる」


そのまま食べるのは何となく許せなかった、棚から二人分の小皿と食器を持って戻る。


食べ方としては鍋のように自分で食べる分だけ取る感じになるだろうか。


ともかく食べよう、具が無いのが少し気になるが面倒くさかったのだろう。


お互いに適当な量の麺を自分の小皿に取り分け、好き勝手に食べ始める。


当たり前と言えば当たり前なのだが普通、だが今はその普通さが身に染みる。


夜遅い時間に食べるだけでこれほど美味く感じるものだろうか。


具が無いのもこれはこれでいい、具の取り分を気にしなくていい、二人揃って黙々と食べている。


「準二級の試験、今度受けてみるっすか?」


「考えとく」


会話も程々に、沈黙は特に気にならない。


ともかく完食だ、食べた量は私の方が多かったかもしれない。


「いやぁ、ちょっと作りすぎたかな感はあったんすけどね、ティルがいてくれて助かったっす」


「……どうも?」


褒められている実感はないが、まぁいいだろう。


腹は膨れた、片付けを終え廊下に出ようとした時違和感があった、さっきまでとは突然雰囲気が変わったような、そんな感覚を覚える。


「どうかしたんすか?」


突然足を止めたのを不思議に思ったのか、扉に手を掛けていたラズリアも止まる。


明かりが灯っているとか、ラズリアと一緒にいるからとか、飯を食べた後だからとか、そういうのではない。


辺りを見渡すが、それらしい違和感の正体は見当たらない。


窓の外では相変わらず雨が降っている、この調子だと夜の間は降りやまないだろう。


……だと言うのに雨音が少しも聞こえてこない。


「雨の音してない」


「え」


そう言った瞬間、明かりが突然消えた。


夜目は効く、ラズリアの方も夜目が効くのか不思議そうに天井を見上げた。


扉に向き直ると緊張した様子でゆっくりと扉を開け、開いた隙間から廊下を覗く。


何も見当たらなかったのか、音を立てないようにゆっくりと閉めると


「……衛兵の人、呼びに行くっす、裏口からこっそり行けば、大丈夫っすから……」


私を不安にさせないようにしているようだが、ラズリアの言葉からは不安が滲んでいる。


私の手を引くとそのまま厨房の方に歩いていく。


扉に手を掛けるのだがラズリアが押しても引いても扉は開かなかった。


今度は慌てた様子で近くの窓に手を掛けたが、これも開かなかった。


ラズリアの離れた内に私も扉を開けようとしてみたが開かなかった。


鍵が掛かっている訳ではないのに扉が動かない、外側から何かに押さえ付けられている訳でもない、壁を押しているようでそもそも動かない、窓にも触れてみたが、これも同じ。


戻ってきたラズリアはさっきの底の浅い鉄板を持ってきていた、せめて刃物を持ってきた方がいいとは思うが。


盗みが目的だろうか、それにしては大掛かりな様に思う。


ここまでの事をしなくても盗む事は可能だろう。

他にあるとすれば……それは、何だ?



-3-


不気味なぐらい静かだ、ティルに言われなければ雨音がしなくなった事にも気付かなかった。


誰かがそうした、明かりが消えたのも、外に出られないのも、多分そう。


魔具や魔動機を狙った空き巣だろうか、けど、裏口の扉は開かなかった、厨房にある窓も全部試してみたけどどれも開かなかった。


ただの空き巣なら、わざわざそんな大掛かりな事をする必要はないと思う。


なら、どうしてそんな事をする必要が……


普段なら明かりがついていなくても気にならないのに、今は不気味で仕方がない。


そこの扉から誰かが突然飛び出てきたりしないだろうか、フライパンを持ってきたけどこんなので大丈夫だろうか。


父さんも、母さんも、先輩も、給仕の人や下宿の人も、今日は私たち以外に誰もいない。


助けを呼ぶにしてもどこかから外に出ないと行けない、けど閉じ込められてしまった。


だったら、私が何とかしないと。


しゃがみこんで、ティルと視線の高さを合わせる。

出来るだけ、不安にさせないように、不安なのを悟らせないように。


「ティルはここで隠れててほしいっす、私の部屋まで道具取ってくるっす、ちゃんと戻ってくるっすから」


「……分かった」


そういって調理台の下に潜っていった、


気を引き締めるように、一度深呼吸、これから私がする事を再確認する。


部屋まで戻れば、普段仕事で使ってる装備がある。


それを使えば外に出られるかも知れない、それを取ってきてここに戻ってくる。


部屋に行くには階段を使わないと行けない、階段は玄関前と家の両端にある。


厨房を出てすぐの所に階段があるから……気付かれないよう、部屋に向かって、気付かれないようにここに戻ってくる。


最後が一番難しい、ちゃんと、気を付けないと。


少しだけ扉を開けて、廊下を覗く。


誰もいない事を確認すると外に出て、音を立てないように慎重に扉を閉める。


大丈夫、きっと大丈夫と自分に言い聞かせて、階段へ向かう。


遠い訳ないのに階段までがとても遠く感じる、階段の下まで着くと踊り場を見上げる。


耳を済ませてみても何も聞こえてこない、静かすぎて自分の心臓がうるさいぐらいだ。


ゆっくり、ゆっくり、一段ずつ階段を登り、踊り場から二階を覗く。


誰もいない、そのまま手すりに背中を擦りつけるように、階段と廊下の境目まで行くとどこかの扉が開く音が聞こえた。


思わず体が固まる、入っていったのか、出ていったのか、分からないけどやっぱり誰かいる。


倉庫の場所を探しているんだろうか、それとも金目の物を探しているんだろうか。


何にしてもここは危ない、ゆっくり来た道を戻って階段を降りる。


あそこを通ると見つかるかも知れない、玄関前の階段か、反対側の階段を使わないと。


境目から顔を覗かせ、誰もいない事を再度確認すると急ぎ足で曲がり角まで向かう。


廊下には身を隠せそうな物が柱の影ぐらいしかない、さっさと走り抜けてしまった方がいい。


曲がり角に差し掛かると壁に張り付いて、一旦呼吸を整える。


誰かと鉢合わせたりしないかと不安になる、覚悟が決まったところでゆっくり、そっと顔を出して覗く。


明かりの灯っていない長い廊下、丁度真ん中ぐらいに玄関がある、誰もいないようだ。


出来るだけ静かに、けど急いで廊下を突っ切って、階段まで向かう。


玄関まで着くとすぐに階段側の壁に背を張り付ける、ここなら上からは見えないはず。


階段まですぐそこなのにとても遠いように感じる、一息に登りきってしまった方がいいんだろうか。


二階に上がっても隠れられる場所はほとんど無い、幸い私の部屋はこの階段を登ってすぐだ。


音を立てないように走り抜けて、荷物を持って戻る。


目的を再確認して、壁から背中を離し、階段の前に飛び出る。


一歩一歩確実に、間違って踏み外さないように、けれど急ぎ足で、慎重に登る。


人影はない、この階段を登ってしまえば、部屋はもうすぐそこだ。


心臓がばくばくする、まだ気を抜いちゃ行けない、折り返し地点ですらないんだから。


逸る気持ちを落ち着けて、部屋に着くとゆっくりと扉を開け、狭い隙間に身を滑らせて、すぐに閉じる。


大きな音はしていない、聞かれていないはず、大丈夫……


「あ?」


「え?」


一歩、進もうとしたところで目があった。


ベッドのすぐ横、全身真っ黒の格好にゴーグルを着けた誰か、手には短剣が握られている。


突然の事でお互いに数瞬固まったけど先に動けたのは私の方だった、フライパンを盾にしてすぐ横を走り抜ける。


反応される前に何とか出来ればよかったんだけど、そう上手くはいかなかった。


私の進路を遮るように体を滑り込ませると正面を避けるように、横殴りに剣を振るう。


フライパンでそのまま後ろに受け流すと胸の辺りを強く蹴り飛ばされた。


痛い、息苦しい、吹き飛ばされている途中で何とか態勢を整え、次に備える。


幸いフライパンは手放していない、急いで立ち上がってフライパンを剣のように構え、今の状況を確認する。


目の前の誰かは腰を僅かに屈め短剣を構えている、戦うには武器が心許ない。


指輪は……後ろの机の上に置いてある、指輪を取れれば剣が使える、多分不意もつける。


体を正面に向けたまま、じりじりと少しずつ机の方に後退る。


「な、何が目的っすか!?」


出来るだけ、気取られないように、意識を他の方に逸らす。


当たり前だけど、答えは返ってこない。


睨み合っている時間が惜しい、早くここを何とかしてティルの所に戻らないと……


自然と息が詰まる、私で勝てるのかって言うのもある。


何より、こうやって誰かの剣が私に向けられるなんてのは初めてで、不安で仕方なくなる。


冒険者になったんだから、いつか経験することだから、それが少し早くなっただけだと言い聞かせる。

怖い、怖いけど、やらなきゃだめだ。


足が机に触れる、後ろ手に指輪を探そうと手を伸ばすとそれと同時動いてきた。


「っ!」


手が指輪に触れた、離さないように強く握り込む。


剣が迫ってくる、フライパンを振るって応戦する、けど片手じゃ力で勝てずに弾かれた。


フライパンは手放さなかったけど、間髪入れず首元に伸ばされた手が振り払えない。


掴まれて、そのまま力任せに放り投げられた。


体が宙に浮いたかと思えば、すぐに落ちて、派手に床に体をぶつけた。


「げほっ……」


背中が痛い、体を動かすのが億劫に感じる、頭がぐらつく。


仰向けになって、上半身を少しだけ起こして何とか今の状態を確かめる。


手持ち無沙汰そうに、いつでも殺せるんだぞとでも言いたげに、手元で短剣をクルクルと回しながら近付いてくる。


怖い、怖いけど、まだ諦めてない。


私に剣を振り下ろそうと身を屈めた。


強く魔力を込めて剣を引き寄せると剣を入れていた鞄が勢い良く、真っ直ぐに私の手元に向かって飛んでくる。


……丁度その間に頭があった、飛んできた鞄が殴り付けるように頭にぶつかり、態勢が崩れた。


生まれた隙を見逃さず、思い切り、力の限り、渾身の力で、振り抜く。


ゴン、と鈍い音が響くと倒れ込んで動かなくなった。


息を整える、体は痛む、動けない程じゃない、怠慢な動きで立ち上がって自分のした事を再確認する。


「や、やっちゃった……」


頭の横を殴り付けた誰かは今は少しも動かない、殺されるかも知れなかったと言えば、言い訳になるのかな。


それでも人をこうさせてしまった罪悪感を覚える、前にもこんなことがあった。


大丈夫じゃない、大丈夫じゃないけど、割り切らないと駄目なんだ。


丁度良く手元まで飛んできた鞄から剣のベルト一式だけつけて指輪をはめる。


落ち着いた所で、改めて今持ってきている魔具を確かめる、明かり、湯沸かし、着火器……野営で使う物ばかりだけどちょっと改造すれば、扉ぐらいなら破れるはず。


後は気付かれないように、ティルの所まで戻るだけだ。


大丈夫、何とか出来る、もう一度そう自分に言い聞かせた所で


「わあああああ!!」


突然下の階から、ティルの叫び声が聞こえた。



-3-


ラズリアはまだ戻ってこない。


今の私に出来ることはない、音を立てないように静かに待つことだけだ。


調理台の下は狭いが、他に隠れられそうな場所がないから仕方がない。


ラズリアが出て行ってから、念のため包丁を取ってきたが使う機会がない事を祈る。


不意に、扉が開く音が聞こえた、歩幅は大きく足音は重い、ラズリアではない、賊だろうか。


厨房に金目の物は無いはず、それほど調べられる事もないはずだ。


だと言うのに毛がざわついた、肌で感じる感覚が僅かに変わった、一瞬だけだが確かに変わった。


足音が部屋の中に入ってくるのが分かった、直感的に居場所がばれたとそう感じる、そういう魔法があるのは知っている。


だが、何故それを使う必要がある、まして厨房で。

目的は物ではなく人?私か、ラズリアか、それとも両方か。


それならここに隠れているのは危険だ、逃げる必要がある。


ここから逃げてどうする、子供の足で逃げても追い付かれておしまいだ。


相手は私が見つかったことに気付いていないと思っているはず、それならそれでやりようはある。


包丁を両手で握り締め、息を潜め、じっと待つ。


怯える子供のように、怯える子供に見えるように。


ゆっくりと重い足音が厨房の中を動き回っている、一直線に向かってこない理由を考える必要もないか。


怯えさせているのを楽しんでいるんだろう、いい趣味をしている。


やがてその足音が目の前でぴたりと止まった、それから数秒。


勢いよく戸を開けると下劣な笑みを浮かべて私の隠れている調理台を覗き込む。


「見ぃ……」


続く言葉は待たず、棚から身を乗り出し覗き込まれた顔面に包丁を突き立てる、防具の類いは着けていない獣人。


まずは片目を潰す、そのまま殺せればもっといい。


久しく覚える肉を裂く感覚、殺すには足りない、後少し力を加えて刃を捻れば殺せるか。


「ぐぎゃあああ!!こんのクソガキがぁ!?」


後少しの前に、暴れた男の腕が私を撥ね飛ばす、引き抜かれた包丁が地面を転がる。


「いっつ……」


背を派手にぶつけたが、動けない程ではない。


後ろから聞こえてくる騒がしい恨み事を聞き流し、廊下に走り出る。


ラズリアに今の状態を伝える方法、危険だがこれしか思い付かない。


「わあああああ!!」


声の限り全身全霊で、叫んでから走り出す。


ラズリアの部屋は私とシルヴァーグの使っている部屋の上だったはず、玄関に向かって逃げれば合流出来るだろうか。


傷を負わせたとはいえ子供の足ではすぐに追い付かれる、それまでにラズリアと合流出来るよう祈るしかない。



-4-


鞄を持って部屋から飛び出る、気付かれないようにとか静かに行くとかそれどころじゃない。


廊下を走り、階段を飛び降りて玄関まですぐに向かう。


厨房に向かう長い廊下の奥にこっちに向かって走ってくるティルの姿が見えた。


「ティル!」

走っているのは誰かに追われているから、ならその誰かは廊下の曲がり角の先にいるのだろう。


剣を抜き、廊下を駆ける。


ティルの後ろからその追手らしい獣人の男の姿が見えた、どういう訳か片目から血を流している。


相手の方が近い、私が全力で走っても先にティルに追い付かれる。


「ティル!伏せて!」


叫ぶと同時に滑り込むようにティルが伏せたのを確認すると、振りかぶって剣を投げ付け、それと同時に駆け寄る。


男は剣を避けるために剣との軸をずらして、絶対に当たらない場所まで体をずらす。


足止めにはならなかった、けど避けたと思い込んでいるなら不意がつける。


剣が男を横切るタイミングで指輪に魔力を込めて剣を引き寄せる。


ただ引き寄せるんじゃなく、魔力を調整してしならせる様に。


魔力の込め方と腕の動きである程度制御出来ると、マグダレンさんに教えて貰った。


同時に腕を振るうと剣が弧を描いて、男に振るわれる。


剣を避けようと男の歩みが止まる、剣は掠めただけだったけど、おかげで間に合った。


「こんのぉ!」


伏せているティルを飛び越えて、勢いの乗った膝蹴りを顔面にお見舞いする。


何となく時間がゆっくりに感じて、私が着地するのと、吹き飛んだ男が壁にぶつかったのはほとんど同時だったと思う。


色々な事が一気に起きすぎてさっきから落ち着かない、剣を手元に引き寄せて一度大きく息を吐く。


急いでここから出ないと、衛兵の人にこの事を説明して……色々だ。


「ティル、だい……」


ティルを抱き上げるために振り返ると誰かがいた。


直後、どす、と鈍い音が聞こえて、お腹の辺りを強く殴られて、急にお腹が熱くなって、手で触れると温かくて、べっとりと赤く染まった。


「あ、あっ……?」


私の、血?そう理解した途端、力が入らなくなった。


立っていられなくて、倒れ込んで、体を丸める。


「ったく……手間取らせやがって、あぁ!?」


「がっ……う……」


胸を蹴り上げられて、声にならない声が漏れた、呼吸が短く、荒くなる。


お腹が熱い、のに寒気がしてくる。


指先から冷えて、それが広がっていくのが分かる。


「ほれ、お前もさっさと起きろ、ガキ連れてずらかるぞ」


力を振り絞って手を伸ばすけど、届かない。


視界が滲んでいく、私、ここで死ぬのかな。


ティルと一緒に隠れていたら、こんな事にならなかったのかな。


冒険者になったから、自分にも何とか出来るかもなんて思い上がって。


痛くて、悔しくて、情けなくて、涙が出てくる。


雨音が嫌に響く。

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