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物語の終わり
むかしむかし、白面金毛と呼ばれる狐がおった。
白い顔立ちに黄金色の毛並み、そして九つに割けた大きな尾を持ったその狐は大層な悪い狐で、女に化けては男を唆し堕落させ、人を遊び半分で殺め、国を破滅させた。
何度討ち倒されても懲りずに別の場所で、別の時代で悪さを働いてはまた討ち倒されていた。
それでも悪はいつか滅びるもの。
最後の最期に許しを請うても許される訳もなく、二つの矢が腹と首を貫き、大きな刀で斬りつけられると、九尾の狐は最期に大きな断末魔の叫びをあげ、跡形もなく消えたのでした。
こうして白面金毛の狐は討ち倒されたのでした。
めでたしめでたし。