0-1 プロローグ
楽しんでいただければ幸いです。
豆腐メンタルですのでご注意を
12月22日の、朝8時。いつもならそろそろ妹たちが学校に行くために家を出る時間だが、一昨日から冬休みに入ったのでいつもと違ってゆっくり作業ができる。さて、この作業もあと少しで終わりそうだがこれから新年度まで何をしようか。
バタバタバタバタ
大きな音を建てながら階段を上ってくる音がする。上の妹二人はいつも静かに上がってくるし、急いでいたとしても「バタバタ」と音は立てず「トットットット」と軽やかに上がってくるからこの音の正体は末の妹の花蓮だろう。
バタン!
「お姉ちゃん今ちょっと「もうすぐ今やってる作業が終わるから下で待ってなさい」……はぁい」
さて、かわいい妹を待たせないようにするためにも急いで終わしますか。
~10分後~
下に降りると妹たちが勢ぞろいしていた。いや、勢ぞろいというほどの人数でもないのだけれど。ちなみに三人がけのソファを一人で占領して寝ているきれい系の美女が次女の薊、ソファに座ってのんびり紅茶を飲んでいるほんわかしている美女が三女の菖蒲、次女の薊の向かいのソファに座ってお菓子をパクパク食べている活発そうな美少女がさっき私の部屋に来た四女の花蓮である。
「それで、花蓮何のようなの?」
「えっとね、昨日ALOの第2段が発売されてね。その、お姉ちゃんもみんなと一緒にやらないかなぁと」
ちなみにALOとは「Another Life Online」の略でつい三週間前発売されたVRMMOのことである。βテストの時点からあまりの自由度の高さにテスター達から高い評価を得ており、いろいろ要因はあるがすさまじい人気を誇るゲームである。
「まぁ、私はいいけど。そもそもとして仮想体験ゲーム用のギアも持ってないし、ソフトも無いけど大丈夫なの?それとみんなってだれのこと?」
ちなみにギアとは仕事用やゲーム用、体験学習用と様々な種類のものがある仮想体験用の端末である。
「大丈夫!ギアはこの前懸賞で当たった最新版のやつがあるしソフトは昨日薊お姉ちゃんが買ってきてくれたから!後みんなって言うのはここにいる4人のことだよ!」
「なるほど、だから昨日薊が朝からいなかったのね。まぁ受験生の癖に何やってるんだとかいろいろとお説教をしたくはあるけどまずいったんお礼を言っとくわ。ありがと薊。」
「いやいや別にこんなことでお礼なんていいよ。いつも負担かけちゃってるからね」
「でも9時くらいから出かけてたのに何で買ってこれたの?確かすごい人気なんじゃなかったっけ?」
「なんか並ぼうとしたらどうぞどうぞって一番最初にしてくれたんだよね。美人って得だねぇ」
「なるほど、そういうわけか。そういえば菖蒲も最近ゲームやってなかったけどやるんだ?」
「うん、最近皆で同じゲームをやったりしなかったから。お姉ちゃんもやるだろうと思ったから久しぶりに本気でやろうかなって」
「よし、これで4姉妹揃ってトッププレイヤーになるという夢が果たせる!」
「え!?ちょっと何、薊そんな夢もってたの!?」
「まぁいいからいいから!それじゃあ、お姉ちゃん早速ゲームの初期設定済ませてきて。第2段も入れてはじめるのにちょっと時間かかるから今日は12時からなんだよね。ということではやくいこうね~」
「ええ!?ちょっと待って花蓮、ちゃんと話を聞かせて~!!」