「後悔をしざるを得ない挑発」
「待ってください! あなたが学園最高理事長と言うのならば、それを証明して見せてください!」
小さなナンバー9から発せられた大きな声が、会議室全体へ響き渡る。
その声が、硬直していたナンバー3とナンバー7の緊張の糸をほどいていく。
しかし、言った本人の体からは緊張が解けていない。それもそうだろう。ナンバー3とナンバー7は、ナンバー9と謎の人物のやり取りを傍観するのみ、なのに対して、ナンバー9はそのやり取りを行わなければならないのだから。
もし謎の人物が、本物の学園最高理事長なら……そう考えただけで、ナンバー9は絶望感に浸っていく。
「あら? 私を疑うの? 残念ね……」
謎の人物は、そこまで言うと口を閉じてしまう。それに対して3人は、頭の上に疑問符を浮かべるのみだった。そこに追い討ちを掛けるように、ナンバー9は問う。
「証明できないのですか?」
「じゃあ……力で述べる事にしましょう。学園最高理事長が、たかがナンバー持ち如きに負けたりはしないからね」
その発言を聞き、3人は各々に構えを取る。
ナンバー3はイスの上に立ち、姿勢を低く保ち、どんな動きでも予備動作をほとんど必要としない構えだった。
ナンバー7はイスに座ったまま、何かのカードと思われる物を右手に、模様の描かれた長方形の石を左手に握っている。
ナンバー9は内股で自分のした事に後悔しながら、怯えていた。
その3人に対して謎の人物はイスの上で、傘を差し、くるっと回転すると、特に構えを取る事も無く3人を挑発する。
「私は間隙久遠と有想夢想を玩弄する者と称される者。一斉にかかってきなさい。あなた達では触れる事もできないでしょうから」
ありがちーな展開?