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「すべての魔法使いと根を断つ者」

「魔法を扱う者……魔法に関する全て……いらない……」


 黒と赤と白を基調としたフリル満点のゴスロリ服に、体を包む小柄な少女が居る。

 短いスカートから大きく露出された、太ももには髑髏のタトゥーが彫れていて、同じく大きく露出された上半身の腕や首には、黒やピンクのテープの様なリボンが結ばれていた。

 そんな彼女が居る部屋は、学園最高理事長室の様に窓も扉も無い部屋。しかし学園最高理事長室とは違い、決定的に華やかさに欠ける。そんな部屋を例えるならば……そう、牢獄。

 うす暗いトーンに、出口は愚か、換気口すら見つからない。飾り気の無いその部屋は牢獄と言うのにふさわしい。

 その部屋で少女に背後から近付く何者かが現れる。少女はその事に気付いているのか、背後も振り向かずに、その人物に話しかける。


「間隙久遠と有想夢想を玩弄する者……こんな所に何の用?」


「あなたを迎えに。私はあなたの力を欲する。神が与えし、天命の中で共に踊り狂いましょう」


「私の力を欲する? 魔神であるこの私の?」


「ええ、あなたの力が」


 このゴスロリ少女は魔女だった。

 この世界には無数の魔法使いが存在する。が、魔女の存在は珍しく、その珍しさゆえに世間では絶滅したと常識になっている。

 魔法使いと魔女の違いだが、現在の魔法を扱う人間の事を魔法使いと呼び、生まれつき魔法を扱える生き物を魔女、もしくは魔人と呼ぶ。そして魔法使いと魔女は全く別の生き物であり、体の構図そのものが違う。その証拠に魔女、魔人は生まれつき筋肉が発達している上、神経が人間以上に繊細である。

 その魔女、魔人は遥か過去に人間に戦争を仕掛け、惨敗した。敗因は人口の数だろうか、人間の方が遥かに数が多かったのだ。

 その結果、魔女、魔人は絶滅寸前まで追い込まれたのだ。そしてその僅かな生き残りがこの少女なのだ。

 そしてその少女は自らを魔神と称する。魔神とは魔女、魔人の上位互換であり、魔女、魔人の中で特に力の優れた者に与えられる名称だ。一説には魔法を創造した者に与えられるか、どうかと言う話だ。

 なんにせよ、そこらの魔法使いなら容易に消し去るほどの力はあるだろう。


「なぜ私を欲する? 私はあなたに負け、こんな所に閉じ込められているのだぞ? 今さら何を言うかと思えば……力を貸してほしいだと?」


「力を貸してほしい? 誰がそんな事、言ったかしら? 私はあなたの力がほしいと、言っただけよ。貸して貰うなんて生易しい事は、最初から望んでないの。あなたは、ただ黙って私の命令に従えば良いの。それにこの話はあなたにとっても、悪くは無い誘いと思うわよ。その証拠に、まずこの窓も扉も無い部屋から脱出する為には、この話に乗るしか無いのよ。それにこの部屋を脱出したら、私の命令を無視して逃げるなりすればいいわ。その時はその時で、私も手を打たせて貰うから」


「……いいでしょう。承諾します。この話を持ちかけて来た事、後悔させてあげるから。間隙久遠と有想夢想を玩弄する者」


「楽しみに待っているわ。すべての魔法使いと根を断つ者」


――――最初の命令は、非禁禁忌の束縛――――

サブタイトルって悩むねー

魔女と魔法使いって別物ってのは、珍しい?

そんなこと無い?

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