第1章 幼い才能
海の見える小さな家
私はその家の長女として生まれた。
名前は、神谷 飾
お父さんが、名前を付けたと聞いた。
私は、順調に成長して小学4年生になった。
ある夏休み、工作にこれを作ってみたらと
渡された小さなビーズキット。
私は、嬉しくなって一生懸命に作り始めた。
作る事にとても興味のあった私は、
すぐにビーズキットのすべての作品を作りあげてしまった。
お母さんはビックリしていた。
「また、新しいキット買ってくるからね」
「うん、早く新しいの作ってみたい」
夏休みの工作は、作った作品を出すことになった。
夏休みも終わり、学校には仲の良い友達がいなかった。
寂しそうに家に帰る。
「ただいま」
「おかえり」
玄関を上がり勉強机に向かう。
勉強机の上に新しいビーズキットが置いてあった。
嬉しくなった。
「お母さん、ありがとう」
勉強机の前から叫んだ。
返事は、返ってこなかった。
少しして、お母さんが勉強机に来た。
嬉しそうな飾の顔を見て、
「勉強も、ちゃんとしなさいね」
と言って、またキッチンへ戻っていった。
勉強机のイスに座り、新しいビーズキットを
作り始める。
猫、蛙、犬、熊、イルカ、ペンギン、花。
家に帰る道が、楽しくなった。
学校が、終わるとすぐに家に帰るようになる。
勉強も、ちゃんとした。
楽しい時間は、学校生活をすぐに終わりまで
加速させた。
小学校を卒業して中学校へ行くようになる。