表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

閑話:マヨネーズと近道

 いつもの日常――。いつもの帰り道――。

 ――ふと、考えに耽る。





(かごめかごめ)





 曰く、和合の道。

 曰く、争うのではなく調和を目指すもの。


 最も強い技は、襲いかかってきた相手と友達になることさ。


 ――なんて。


 もちろん、倫理や道徳はなにより大切だ。

 その“楔”がなければ、武術はただの暴力でしかない。現代社会において、その“楔”を抜くことは許されない。


 ――でも――。


 やはり、武術の本質は――“人を壊す技術”。


 この磨き上げた技術は、どれだけ使えるのだろう。

 どこまで通用するのだろう。


 そう考えたことがない武術家なんて、本当に存在するのだろうか――。


 ――。


「――ユウキ!」


 自分を呼ぶ声に、はっと我に返る。


「どうしたのユウキ? 浮かない顔して」


 いけないいけない。

 意識的に体幹を崩し――普通の女の子っぽく、くるっとまわって友人のほうを向いてみせた。


「いやぁ――……。

 今日はなに食べて帰ろっかなー? って」


「あはは! ユウキってほんと食いしん坊だよね!

 たしかお爺さんがすごい武術家で、ユウキもその武術やってるんだっけ?

 そういうのやってると、やっぱお腹が空きやすいのかな?」


「あ――……そうなのかも?」





(籠の中の鳥は)





 ピロン♪


 バスから降りたタイミングでスマホが鳴る。

 母からのメッセージだ。


『ユウキへ。

 マヨネーズが切れたので帰りにコンビニで買ってきてください』


 はぁ……と肩を落とす。

 こんな山間の町ではコンビニもまばらだ。近くのコンビニは、ここからだと遠回りになっちゃうんだよなー。





(いついつ出やる)





 ふと、風が吹いた――。

 その流れを追うと、脇にある林道の入り口が目に入る。


 ――確か、ここを通ると近道だったような。


 いままでほとんど通ったことのない道だ。

 スイ、スイ……とスマホの地図アプリを起動しながら、私は林道の入り口に向かって歩きはじめた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ