第3話 Lumière 《ルミエール》
審査から1週間。
私たちは審査会場近くのカラオケに集まっていた。
「審査、受かってて良かったよね」
「それでバンド名だけどどうする?」
「 Lumièreとかどうかな?」
「ルミエール?」
「うん!」
「いいわね!キラキラしてて」
「 Lumièreか!」
「そういえば、事務所から連絡が来てたわよ?」
「え?」
「あなたたち、見てないの?」
「うん」
「知らなかった」
「今度、ライブハウス『キララ』でライブがあるから、参加してみないかですって」
「ライブかぁ」
「えっと、必要なものとかあるの?」
「楽器はライブハウスのやつ使えるみたいだから」
「ベースとかドラムね」
「ベース、ギター、ドラム、ボーカル、キーボード。大体使う楽器ってこんなものよね」
「ライブかぁ!楽しみだなぁ」
「一応、ライブを、任せられるのかテストはするみたいだから失敗出来ないわよ」
「私たちのことを知ってる人は誰もいない。頑張らないとね」
カラオケを、後にした私たちはファミレスで昼食を済ませて解散した。
♡ ♡ ♡
「連絡先、交換出来たのは良かったなぁ」
天音は帰宅後。お風呂を沸かせて夕食の準備に取り掛かる。
「歌詞も考えないといけないよね」
大変だが、天音には頑張ることしか出来ない。
「努力すれば大抵のことはどうにかなるし......作詞、頑張るか」




