3話目
「そうですね〜勇者様はお祝いごととかお花の鑑賞が好きだったようなただ最近あまりそういうのもなしで部屋にいると聞いています。」
なるほど、花が好きか、、
「ルイ!お父さまにお花をプレゼントする!」
メイドルイはいきなりなりの私の発言に少し驚いたようだったが微笑みながら了承してくれた。
とはいったものの花屋に買いに行くべきか?どこから花を積むべきか?
そんな考え悩んでいる私を察してからかルイが提案してくれた。
「お城の庭園に咲いてる綺麗なお花を沢山積んで大きな花束を作ってプレゼントするのはいかがでしょうか?」
「お〜いいね!そうしよう!」
早速メイドマリと庭園に向かった。
初めて行く庭園だが想像以上に広く色々な種類の花が咲いていた。
とてもよく手入れされているようで本当に見たこともない景色だった。
ここから花をとってもいいのだろうか?
しかし今は少しでも勇者マミオに好かれておく必要があるだろう。
あたりを見回してちょうど奥の方ならあまり気にならないかと奥の方に歩いていった。
何色が好きだろう?
「ルイ?お父様は何色の花を好むか分かる?」
「そうですね、ここにある花ならどれも好きなはずですが、、」
「そう!ありがとう」
どれでも好きなら自分好みでいいか、おっ。なんか変わった紫の可愛い花があるぞ!
「ルイ!あの花はなんていう花?」
「あ〜あれはスズランというものですがあまり見たことないですね、最近植えられたのかもしれません」
ルイも知らない花ならこれにしようなぜかそんなことを思いスズランに手をかけたところだった。
「何をしている!」
後ろからとても大きな怒鳴りつけるような声がした。
振り返るとそこには勇者マミオがいた。
「お父様にお花を!」
「なんだって!お願いした覚えはないが!」
なぜ怒っているのか分からなかった。
お花をプレゼントするのがそんなに嫌なの。
私は少し不機嫌になった。
「すみません」
不機嫌だが丁寧に不機嫌に気づかれぬよう勇者マミオに謝罪した。
勇者マミオは私の謝罪を聞くとふんとした感じでどっかに行った。
なんだったんだろう。
「すみません、ロゼお嬢様、私があんな提案をしたばかりに」
メイドのルイは申し訳なさそうに私に謝ってきた。
「大丈夫よ。お父様は好きじゃないのかな?」
「そんなことは、、、以前もお花を部屋に飾るぐらいだったので、、そういえば最近そんなことも無くなったような、、」
「前と違うってこと?」
「そうですね、、以前は巨人はやっつけたから巨人の心配はしないとおっしゃっていたのが巨人が死んでいるところを確認するまでは気を緩めてはいけないとか、、なんか少し変わられたような気がします」
「ロゼお嬢様もうすぐ夕ご飯で外も寒くなったので城に戻りましょう」
「そうね。」
なんとなくの違和感と、あのスズランが妙に気になった。
**
メイドのルイと食事部屋にいくといつもある白い細長い大理石で作ったのかというテーブルに豪華な食事。
そして奥には勇者マミオの姿が、あ、今日も先に食べているのか?
私は勇者マミオの右斜めの席に座る。いや座らせてもらうといえばいいのだろうか。
私はまだ1才なので食事部屋専門の女メイドが丁寧に『失礼します』とひょいっと持ち上げいつも座らせてくれるのだ。
メイドが力持ちなのか私が軽いからなのか本当にいつも軽々持ち上げてくれるのは本当に不思議な感じだ。
そして豪華な食事の中かから食べられそうな量を丁寧に切り分けて自分のお皿に持ってくれる。
お嬢様とはこんな感じで食事をするのかと最初は驚いたものの今は慣れっこだ。
しかし勇者マミオは私というかわいい子が来たのに挨拶もしないでもくもくと食事を。
一番最初に会った時とは大違いだ。
「あ、そういえばお兄様は?」
私の右後ろに控える食事部屋専門のメイドに聞く。
「今日もお部屋で食事をとするとのことです。」
「そう。」
まだ会ったことはないが私の5つ上と10こ上に兄がいるらしい。ここにはいないが。
10こ上の兄は英才教育なのかマミゼール院に泊まり込みでの教育がされているとのこと。
いいとこの子も大変なのね。
でもう1人の5つ上の兄はなぜか引きこもりのような感じかと私は推測している。
まぁ、きっとこの父親のせいだろう。こんなそっけなかったらそうなるだろう。
そして私の母は別館での食事という感じ。なぜ別館かというと国の勇者とのことなので嫁もそれなりにいるからだろう。
そんなことで今日もこの豪華な部屋に豪華な食事を囲むのは私とこの勇者マミオとのこと。
「お父様」
昼に怒られたのに少し恐る恐る勇者マミオに声をかける。
勇者マミオはそんな私の方をむく。
「なんだ」
「その、、お花は嫌いでしょうか?」
勇者マミオは少し考えたような顔をした。
「あぁ。昼のことか?」
「はい。」
勇者マミオはまた少し考えたような顔をした。
「気にするな。だが花をプレゼントするなだとは考えるな。最近は自然に咲いている花をみるのが好きでな。」
少しそっけなかったが少し優しさも感じた声で勇者マミオが話した。
「わかりました。これからはお花のプレゼントは控えます。」
「ありがとう。」
「なのですが、お父様が喜ぶことを何かしたいのですが、、、」
「あぁ、、、普通に生きてくれればそれでよい」
私は驚いた。いつもそっけない勇者マミオからそんな言葉を聞けると思っていなかったからだ。
案外勇者マミオの機嫌を取らなくても自由に動けるかもしれないそんなことを思った。
いっそのこと森にいくのを提案したら連れてってくれるのではないか?
連れていってもらえばあとはそこから迷った的にどっか行って気が済んだら帰ってくる的なことをすればロデオに会えるかもしれない。
「お父様、あ、あの、、森に行って見たいです!」
勇者は何も考えていないようででも話をちゃんと聞いているような感じで黙ってこちらを見ている。
「イスも1人で座れないやつが森に行って何をする」
勇者マミオは黙っていた口を開きそして私を少し小馬鹿にした感じでそして落ち着いた口調でそう言ってきた。
「座れたらいいのですか?」
「そうだな〜もし迷って怖い魔物に襲われたらどうする?」
「森に魔物なんていません!」
私は自信たっぷりに言ってやった。
私が前世森に迷い込んだ時にロデオこそいたが恐ろしい魔物なんていないのだから。
「なぜ分かる?」
私はハッとなった。
そして目をそらしてしまう、、
なぜなら1才の子が森に魔物がいないなんてハッキリ分かるわけがないのに。
あやましまれただろうか、、、恐る恐る勇者マミオの顔を覗き込む。
すると意外に勇者マミオはニヤニヤしていた。
えっと思ったがなんか焦りがなくなりまた説得にかかる。
「魔物がいるなんて聞いたことありません」
「聞いたことないものはないものとするのか?」
「.....。」
「ではどうしていると分かるのですか?」
「いると分かるのではない。疑うのだ。何か起こる前に気をつけるのだ、少しの油断が後でおおごとになることもあるからな、」
何も言い返せなかった。
何も言い返せない私がかわいそうになったのか勇者マミオが私に話しかける。
「なぜそんなに森に行きたいのだ」
「行ってみたことないところに行ってみたいのです。」
「好奇心旺盛だな」
少し小バカにされたような言い方だが少し優しい言い方のようで、、、なんだろうと思っていて考えたらもうそこに勇者マミオの姿はなかった。
森にいくのは怖くない。怖くないのになんか森に行ってはいけないとなんか嫌な予感がしたなぜだろう、、。
あとどうして憎いはずの勇者が少し愛おしく感じるのだろう、、ロデオに会いたい、会って生まれかっわことを言って話したり、森に木の実を取りに行きたい、、
ないているかなロデオ、、偉大で大きくて強いのに優しくて私がいなくなりそうになったら涙流す可愛いロデオ、、
そんなことを思うロゼの目はとてもうるうるとして今にも大粒の涙がこぼれ落ちそうだった。